
幼馴染のO君は、夢を叶えたのだろう。個展を銀座で開いたのだから、それは画家にとって一つの目標であったに違いない。大学を卒業してから、東京へ出て、絵画を続けていたことは知っている。10数年くらい前に自宅へ電話をして、消息を聴いたとき、やっとパリへ勉強へ行きますと言っていた。かなり遅くなったようだった。家族があり、彼はまじめな性格なので、妻子を大事にしていたのだろう。
・芸術家として、苦労をしているのだろうとその時思ったものだ。若い時の夢は叶えられないことばかり。甘いとか辛いとかではなく、障害が多過ぎるのだ。簡単に夢を持つからだと言われるかもしれない。銀座で個展を開いたからと言って、それは一つのチャンスでしかないかもしれないが、彼がそこまで辿り着いたプロセスは、軽くはなかっただろう。
・へ2・・・どんな相にしろ、O君は健在の様だと思うと嬉しくなった。一度会いたいが会えるだろうか。ひとことお祝いが言いたい。彼は、苦笑するのではないだろうか。夢を追い続ける人には、まだ夢は終わっていないに違いない。