


この刺激的な本。「新生児殺しのケーススタディ」のへティは、
道徳意識がなく、浅はかではあるが、それ以外はまったく健全だ。身
体的にはふつうの人間で、精神が錯乱しているわけでもなく、単に自
分以外のものに対して関心が薄く、とくに自分が責任を負いたくない赤ん坊
には、まるで愛着を感じないだけなのだ。彼女は、言う「私は、その小さな
赤ん坊を・・・森に捨てた・・・赤ん坊は泣いていた・・・その泣き声が聞
こえた・・・けれど、その子は死なないんじゃないかと思った・・・誰かが
見つけてくれるかもしれないから、私はあの子を殺してない・・・私があの
子を殺したんじゃない。」
はかり知れない恐怖を覚えるだろう。こういうこどもたちはどこにでも傍に
おり、その兆候がみえるだろう。犯罪として新聞記事にならなくても、その
危険要因となるべき環境があるからだ。これらの事実こそ、ひとの感情を逆
なでするものはない。然し、かれらは、特別な子どもたちではない。
私たちの社会は、一様ではないだけだ。
個人的な言訳だがまた雨で夜のウオーキングができない。