


「一夜」
・問題となるのは、「折から烈しき戸鈴の響がして何者か門口をあける。・・・」。
・「合わせ鏡」になっている。こちら世界の三人と、隣の世界の女ひとりと男二人をそれとなく書いている。清浄と醜悪な世界。精神と肉体、対比させている。
・隣りでは、生々しい現実を想像させている。乱れた男女の関係がある。然しそれとは明確に表現せず、想像させる方がインパクトがあることを漱石は想定している。
・隣の関係が現実社会である。違う男が登場してくる。三角関係。女一人に男二人。
・清と濁。
・「こちらの世界の女は、「誹」と賤しむごとく答える。」
・髭のある男と髭のない男が象徴的に区別された人格者として描かれる。
・「琴の」合奏・・・男と女の関係を指している。匂わせる。
・タイトルには意味がある。比喩。「趣味」・・・男と女。
・「グループ」・・・で読む意味がある。三人と三人として。
・「倫敦塔」地獄の門。漱石の翻訳。ダンテの翻訳をした。「神曲」地獄篇。十五歌。
地獄である魂。これらの引用。
・トリスタン・イズ・物語。 「幻影の盾」
・フランチェスカ 「パオロ・フランチェスカ」(「行人」)
・ランスロット 「かい露行」
に出てくる。
・漱石は連想で書く作家。
・運命的な出逢い。不倫の恋。で地獄に落ちる。
・ダンテの影響。
・「在天の処女」。
・ユリの花に包まれた女。
・「神曲」と「漾虚集」の関係がある。
・「神曲」を読んだほうがよい。
・「一夜」は、こちらでは何も起こらない。然し、現実社会の、「隣」では男女の醜い三角関係がある(汚れた社会)。
・「かい露行」との関係がある。
・ミステリーが解けないと解からない小説・仕組まれた内容である。