05/春≪1≫



ブック
2005年・春 絵本&おはなし覚え書き≪1≫



   6年生のよみきかせも残りあと2回。
   今週6の1、来週6の2。
   両クラスとも、私が行くのは、最後となる。
   今年初めて6年生のクラスへ行く事になって、
   何を読んだらいいだろうと、いろいろ考えた1年だったけど
   彼女、彼らのおかげで、絵本の幅が広がったように思う。
   低学年では、読めないような絵本にも出会うことが出来た。
   反対に、低学年でも楽しめる本が高学年でも好まれる事もあった。
   私にとっても、とっても勉強になった1年でした。
   どうもありがとう!
   最後のよみきかせに、私が選んだ絵本はこれです。

たいせつなきみ
   『 たいせつなきみ
     マックス・ルケード/セルジオ・マルティネス絵 (フォレスト・ブックス)

   彫刻家エリが彫った、ウイミックスという木のこびとたち。
   ウイミックスは、いろんな格好をしていた。
   そしていろんなウイミックスがいた。
   おっきな鼻をしたの。
   おっきな目をしたの。
   のっぽくんにおちびさん。
   彼らの住んでる村では、みんなお互いシールを貼り付けあうことばかりしていた。
   キレイな素敵なウイミックスには、きんぴかのお星さまシール、
   でこぼこ、色のはげた何も出来ない失敗ばかりのウイミックスには、
   醜い灰色のダメ印シール。
   パンチネロは、何のとりえもないから、体中灰色のシールだらけ・・・。
   「どうせ僕は、だめなウイミックスだから」と思うようになってしまった。

   ある日、パンチネロは、ルシアというウイミックスに出会う。
   彼女には、お星のシールも灰色のシールも付いていない。
   ルシアには、シールがくっつかない。
   すぐに落ちてしまうんだ。
   僕もルシアのようになりたい。
   「もう誰からも良いとか悪いとか言われたくないよ」
   「エリに会いに行けばいい」と言われたパンチネロは、
   彫刻家エリに会いに行く。
   エリは、とっても暖かくパンチネロを迎えてくれる。
   「気にすることはない。みんながどう思うかなんてたいしたことじゃない。
   私はお前をとても大切だと思っているよ」
   エリの優しいまなざしと言葉にパンチネロのこころが喜びに満ちてくる。

   「シールがくっつくようにしていたのは、おまえ自身なんだよ」
   「気にしているから、シールもおまえのほうにくっついてくるんだ」
   「お前が私の愛を信じればシールなんてどうでもよくなるよ」
   そして、その後、パンチネロのひとつのダメ印が地面に落ちたんだ・・・。



いつだってともだち
   『 いつだってともだち 』 
     エリック・バトゥー=絵 モニカ・バイツェ=文 (講談社)

   3月・4月。
   春は、別れと出会いの季節です。
   大切な人との別れは、さびしいものです。

   大好きだったともだちとの別れ。
   さびしくて、元気がなくなってしまったピンクの子象ベノ。
   「どうしたらいいのだろう・・・?」
   ベノは、ものしりふくろうのホレイカのところへ行きます。
   ホレイカは、元気になる3つの方法を教えてくれます。
    ◆悲しい時は、我慢せず、泣くこと。
    ◆悲しい気持ちを誰かにはなすこと。
    ◆心の中に友だちの部屋をつくること。
   さぁ、ベノは、元気になれるかな・・・?
   こころが変わると、新しいものが見えてくるね。


父は空母は大地
   『 父は空 母は大地 -インディアンからの手紙ー
     寮 美千子 編・訳/篠崎正喜 画 (パロル舎)

   6年2組(長男のクラス)
   最初で最後のよみきかせに選んだのはこの絵本。
   150年あまりも前の人の言葉が、
   今も人々の手から手へと伝えられている。
   なんと、素晴らしい、美しい言葉なのだろうか。
   現代に生きる私達は、
   心してこの言葉を受け止めなければならないと思う。

   今から、約150年前、アメリカ政府は3年間のインディアンとの戦いの末、
   インディアンの土地を買い取り、居留地を与えると申し出た。
   それに対し、インディアンの酋長シアトルは 
    どうしたら 空を買えるというのだろうか?
    そして 大地を。
    わたしには わからない。
    風の匂いや 水のきらめきを
    あなたはいったい どうやって買おうというのだろう?
   と問う。
   しかし、迫りくる文明の嵐を前にこれ以上の抵抗は無益だと考えた
   シアトル酋長は、この条約に署名した。

   そして、土地への思いを言葉にたくした。
   大統領に、そして未来に生きるすべての兄弟たちへ・・・。
   私が書くより、
   是非この酋長の胸に迫る素晴らしい言葉に触れてください。
   未来の地球のために、未来の子どもたちのために・・・・。

Brothereagle,sistersky

   同じシアトル酋長の言葉が書かれた絵本。
   『 ブラザーイーグル シスタースカイ
     スーザン・ジェファーズ絵 徳岡久生・中西敏夫訳 (JURA出版局)


しらないひと
   『 しらないひと
     シェル・リンギ/作 ふしみみさお/訳 (講談社)

   突然、平和な国に知らない人がやってきた。
   それも、大きな大きな人。
   国の人たちには、巨大な足しか目に入らない。
   さぁ・・・どうすればいいんだろう?

   ある日、突然、知らない人がやってきた。
   国中は、大騒ぎ。
   まず、見張りをたてた。
   大使をおくった。
      でも返事はなし。
   大使の使いが手紙を持っていったが、
      使いは戻ってこない。
   とうとう、軍隊を集め、強さを見せつけたが、
      何も起こらなかった。
   兵隊は、勇敢に突き進んだが、
      それでも何も起こらなかった。
   兵隊たちが、どんどんエスカレートしていく。
   その時、ビックリする事が起こるんだ。
   ひとりでやってきた、知らない人は、
      どんな気持ちだったのだろう・・・?

   春だから新しい出会いがあるよね。
   その前に、読んでおきたい一冊かもしれません。
   知らない人と仲良しになるために・・・。


かさじぞう
   『 かさじぞう 』 瀬田貞二・再話/赤羽末吉・画 (福音館書店)

   誰もがよく知っているこのお話。
   息子の教科書にも載っていた。
   寒い、寒い雪の中の話なのに、なぜこんなに、こころがあったかい気持ちになるんだろうね。
   言葉のせいなのかな。
   日本の昔話独特のその地方の方言。
   なかなか、正しく発音できないけど、雰囲気は伝わってくる。
   「かおからつららをたらして・・・・・」
   ここで思わず次男が笑った。
      ゆきがもかもかふってきたので・・・
      すっぽりめしをさくさくたべて・・・
      のっこのっこかえっていったと・・・
   なんか、いいよね。

   絵本もいいけど、
   もっと、言葉で楽しむなら
   おはなしの本はどうでしょう?

日本の昔話(5)
   『 日本の昔話5 』より
       「笠地蔵」 おざわとしお再話/赤羽末吉画 (福音館書店)

   このおはなし、ストーリーテリングで聞いたけど、
   絵本とはまた違って、とても良かったです。
   やっぱり、日本の言葉は、あたたかいなと思いました。


うんちしたのはだれよ!
   『 うんちしたのはだれよ!
     ヴェルナー・ホルツヴァルト文/ヴォルフ・エールブルック絵 (偕成社)

   これも低学年で読んだ絵本です。
   この頃のこどもってどうして「うんち」が大好きなんだろう?
   「うんち」って言葉だけで、
   反応しちゃうんだよね。

   ある日のこと、もぐらくんが地面から顔を出したら、事件が起きた。
   茶色でふっくらした、ソーセージみたいなものが、頭に・・・。
   「だれだ!僕の頭にうんちしたやつは?」
   もぐらくんは、このうんちをした犯人を探しにでかけます。
   ハト、ウマ、ウサギ、ヤギ、ウシ・・・・。
   みんな、頭のうんちとは、形や色が違います。
   いったい誰なんだ。僕の頭にうんちをしたのは・・・。
   最後に、犯人を見つけたもぐらくんは、しっかり仕返しして
   満足して、地面の中に戻っていきました。
   いろんな動物のうんちに詳しくなっちゃうぞ。
   大人から子どもまで楽しめるドイツの絵本です。





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