≪1≫



ブック
大人な絵本(1)



大人が読んでも素敵な絵本。
大人だから、更に深く感じる絵本などが紹介できたらいいなぁ・・・。


地下鉄
地下鉄
 ジミー・著/宝迫典子・翻訳 (小学館)

盲目の15歳の少女が、主人公。
地下鉄がモチーフとなって、彼女はいろんなところへ出かける。
でも、それは、多分・・・
心の中の風景・・心象風景。
彼女だけでなく、誰もが持っている心の風景、心のつぶやき。
彼女は、つぶやく。
  どこに いるのか わからない
  どこに 行きたいのか わからない
  深い霧が 行く手をおおい ぬかるみに 足をとられた
  誰か私を ここから連れ出してください 
 *   *   *   *   *   
でも最後には、こう綴られている。
私も 探してみよう
真っ赤な りんごを 金色の一葉を
心に輝き始めた かすかな光を
絵も、とても美しい。
色使いも鮮やかでキレイだ。
何度も何度も、姿をかえて地下鉄の絵が現れる。
一体、どこへ向かうのか・・・。
私が数えた限りでは、この絵本で使われている絵は、60枚。
1つ1つ細かく描かれている。すごい・・・。
これは、大人の絵本。
自分のこころに問いかける絵本かもしれない。


おしえてウルトラマン
おしえてウルトラマン
  作・絵/宮西達也 (Gakken)

図書館でビビビッ!
本日の1冊。大人も子どもも・・・一緒にどうぞ。
ウルトラマンは強いだけじゃない。
ぼくらの悩みにも答えてくれる。
ウルトラマンの人生相談。
あなたも相談してみませんか?
*   *   *   *   *   *   *   *  
ぼくは、今日いじめられました。
たたかれて、けられて すごくいたかった。
しかえししてやりたいんです。
キックのしかたをおしえてください。
足本 力(中学生)

なげとばすことは
きもちがいいと おもう?
けっとばすことは
スカッとすると おもう?
なぐることは
スーッとすると おもう?
ほんとうに そうだろうか?
なぐればなぐるほど 
いたくなるのは じぶんの 
こぶしなんだ。
じぶんの 心なんだ。
*   *   *   *   *   *   *   *   
小学生、OL,主婦、高校生、公務員、保育園児、幼稚園児などなど・・・。
みんなの相談に、さぁ、どうやってウルトラマンは、いどんでくれるかな・・・。
私は、これを読んで、ウルトラマンに「ありがとう」って言いたくなったよ。


春の日や庭に雀の砂あひて
E.Jキーツの俳句絵本『 春の日や庭に雀の砂あひて
  リチャード・ルイス・編者/エラズ・ジャック・キーツ・画家/乾侑美子・訳 (偕成社)

図書館で見つけた一冊。
日本人だけど、なかなか綺麗な日本語を話すのは難しい。
でも、日本語って素晴らしいんだなって思う。
特に、俳句には、たった17音で情景や気持ちが現れているんだから・・・。

俳句をもとにイメージを膨らませたキーツのコラージュがすごいです。
情景は、もちろんなんだけど、その心情までが伝わってきそうです。
後ろの背景が、何かを訴えているように感じます。
外国人のコラージュなのに、なぜか日本的な雰囲気が伝わってきます。
日本語の俳句、それを英語にした英詩、それをまた日本語へ訳す。そしてキースのコラージュ。
見開き1ページでいろいろ楽しめます。
*   *   *   *   *   *   *   *
朝やけが よろこばしいか 蝸牛(かたつむり)
* 
A red morning sky,
For you,snail;
Are you glad about it?
*
このあかく染まった朝の空
きみのだよ かたつむりくん
うれしいかい?
*
キーツのコラージュ
*   *   *   *   *   *   *   *
ねっ!・・・4回は楽しめるでしょう?
色もとっても素敵だから、図書館や本屋さんで見かけたら、中をぜひ見てみてくださいね~。


ミルクのお茶
ミルクのお茶
   おーなり由子 (新潮社)

子どもの頃とは違う。
大人の友情って・・・・?
楽しい時間を過ごした彼女たちに、別れの時が訪れます。
でも、はなれているから言える気持ちもあって、
前より親しくなれることもあるのです。
そんなお話です。


今日はなぞなぞの日
今日はなぞなぞの日
  フジモトマサル (平凡社)

この本、かわいいイラストで、ほのぼの・・・。
でも絵本じゃないな。
なぞなぞなんだけど、ちょっと高度・・。
子どもじゃ無理かな。高学年ならいけるかな・・。
なぞなぞとダジャレが、合体している~。

すぐに答えを見てはいけません。
「悩む時間は、なぞなぞの最大の調味料である」と書かれています。
考える時間を楽しんでくださいと。
かなり、難しいかも・・・。
わかんないよぉー。
すぐ答えを知りたくなる気の短い私です。



たいせつなきみ
たいせつなきみ
  マックス・ルケード/セルジオ・マルティネス絵 (フォレスト・ブックス)

彫刻家エリが彫った、ウイミックスという木のこびとたち。
ウイミックスは、いろんな格好をしていた。
そしていろんなウイミックスがいた。
おっきな鼻をしたの。
おっきな目をしたの。
のっぽくんにおちびさん。

彼らの住んでる村では、みんなお互いシールを貼り付けあうことばかりしていた。
キレイな素敵なウイミックスには、きんぴかのお星さまシール、
でこぼこ、色のはげた何も出来ない失敗ばかりのウイミックスには、
醜い灰色のダメ印シール。

パンチネロは、何のとりえもないから、体中灰色のシールだらけ・・・。
「どうせ僕は、だめなウイミックスだから」と思うようになってしまった。

ある日、パンチネロは、ルシアというウイミックスに出会う。
彼女には、お星のシールも灰色のシールも付いていない。
ルシアには、シールがくっつかない。
すぐに落ちてしまうんだ。
僕もルシアのようになりたい。
「もう誰からも良いとか悪いとか言われたくないよ」

「エリに会いに行けばいい」と言われたパンチネロは、
彫刻家エリに会いに行く。
エリは、とっても暖かくパンチネロを迎えてくれる。
「気にすることはない。みんながどう思うかなんてたいしたことじゃない。
私はお前をとても大切だと思っているよ」
エリの優しいまなざしと言葉にパンチネロのこころが喜びに満ちてくる。

「シールがくっつくようにしていたのは、おまえ自身なんだよ」
「気にしているから、シールもおまえのほうにくっついてくるんだ」
「お前が私の愛を信じればシールなんてどうでもよくなるよ」

そして、その後、パンチネロのひとつのダメ印が地面に落ちたんだ・・・。


アルド・わたしだけのひみつのともだち
ナイナイとしあわせな庭
アルド わたしだけのひみつのともだち



かさ
かさ


マローンおばさん
マローンおばさん 』エリナー・ファージョン
エドワード・アーディゾーニ絵 阿部公子/茨木啓子訳 (こぐま社)

これは、手のひらぐらいの小さな本です。
開いてみると余白の多いぺージ。
左ページの真ん中に小さなモノトーンのカット。
そして、右ページに文章。
ストーリーのある、詩のような文章です。

マローンおばさんは、森のそばで、ひとり貧しく、くらしていた。
ひとりぼっちのさびしいくらし。
食べ物もほんのわずか・・・
眠る時も古いぼろの荒布を床に敷くだけ・・・
寒いある冬の日
スズメが一羽
ネコが一匹
母さんギツネと六匹の子ギツネ
そしてロバ
家族が次から次へと増えた。
おばあさんは、荒布もずきんも肩かけも
パンもお茶もー
何もかも分け与えた。
仲間がいるとはうれしいね!
あんたの居場所くらい
ここには あるよ
だけど、ある日、おばさんは起きてこなかった。
動物たちは、おばあさんを連れて
天国の門へと進んでいった。
マローンおばさんは、
「ここは私の来るところじゃない 帰りましょう」
といったけれど
天国の門番の聖ペテロさまがいった。
「母よ、入って王座のそばへおゆきなさい。
あなたの居場所が
ここにありますよ、マローンおばさん」

簡単にすると、こんな感じの内容です。
とっても静かに心に沁みて来るような気がします。
控えめな白黒の絵が、雰囲気をだしています。
なにか、深いものが心に入ったと思ったのは気のせいでしょうか・・・?。


赤い水、黒い水
赤い水、黒い水


生きる力をくださいトンパ。
生きる力をくださいトンパ


償い


ありがとう。の本Special
ありがとう。の本
  竹本聖 (ぶんか社)

いろいろな言葉があるけれど、
「ありがとう。」と言われて
嫌な気分になる人はいないだろう・・。
「ありがとう。」は、人と人を優しく結んでくれる
素敵な こ・と・ば。

たった一言の「ありがとう。」
でも、「ありがとう。」にも、
いろんな「ありがとう。」がある。
それを教えてくれた一冊です。

*   *   *   *   *   *   *   *   *

 出会ってくれて、ありがとう。
 話しかけてくれて、ありがとう。
 笑わせてくれて、ありがとう。
 はんぶんこしてくれて、ありがとう。
 許してくれて、ありがとう。

 生んでくれて、ありがとう。
 育ててくれて、ありがとう。
 わかってくれて、ありがとう。
 本気でしかってくれて、ありがとう。

 あやまってくれて、ありがとう。
 親切にしてくれて、ありがとう。
 誘ってくれて、ありがとう。

 ほめてくれて、ありがとう。
 信じてくれて、ありがとう。

 生きていてくれて、ありがとう。

 ・・・・・・・

*   *   *   *   *   *   *   *   *

まだまだ、たくさんのありがとうがいっぱい。
ありがとうで溢れたら、
どんなに素敵な世の中になるだろう。





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