蹴ったり叩いたり

蹴ったり叩いたり

谷田君の憂鬱。








遠くなる昼休憩チャイムの音、
ざわつく制服のうるさき教室の中に僕は居ます



戯れだす仲良しという名の群衆
各鞄の中から取り出される弁当!弁当!弁当!
一般の高校生がそうであるように、
僕も昼休憩は大好きです。


言っておきますけど、
僕は昼休憩は好きですが
昼ごはんはキライです。
僕は群れるのがキライとかそういうわけでも
友達が少ないわけでも無いんですが、
独り、ごはんを食べます。



やっぱり
誘われたりするんですが、
いつも断ってます。
なんていうか集中できないんです。





僕、谷田高志。
一応、高校生です。










「あー、ダル。すんごい蒸し蒸ししちゃった。」






僕には、何と言うか、




「あーちょっと、あんた聞こえてんでしょ!」



変な能力というか


「早くしてよね、暑いんだから。」





ある意味、呪いに近い


「まったく、なんでこんなに醜く生まれたのよ~。」




能力があります。







「あんたのお母さんももっと綺麗に作れなかったの??」




僕、谷田高志、17歳。



「いっ!ちょっと、もうちょっと優しくはさみなさいよ!!」







ただいま
弁当のおかずに話しかけられています。


















続く。


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