ゆらおう

ゆらおう

毛布配布


南半球にあるマラウィは夏だった。
毛布をおくるボランティア隊として行った。

夏でも夜は何かを羽織らないと寒い。
しかし昼間の気温は40℃を超えていた。

毛布を受け取れるのは、ごくわずかな人。
マラウィにおくられた毛布は1万枚のみだったからだ。
エイズの人、ポリオで歩けない人、片足のない人、親がいないこども…
協力団体のMalawi Redcrossのメンバーがいろいろ調べて、貧しい中でも特に貧しい人がピックアップされて毛布は配られた。

ボランティア隊が配るのはその中でもさらに一部の人たちだけだ。
あらかじめ配布される日程と時間が対象者に伝えられ、対象者や家族、近所の人などなど、たくさんの人が会場に遠い人は前の晩から歩いてくる。
もちろん裸足。
時間に遅れるとそのときは受け取ることができない。
だから何時間も前からそこで待っている。


毛布を待つ←ごく一部の人たち


マラウィはキリスト教が多い。
毛布配布の前は必ずセレモニーをする。
神に祈りを捧げ、ボランティア隊からのメッセージ、パフォーマンスを行った後、毛布配布に入る。

一人ひとり名前を呼ばれ、本人かどうか確認をして肩からかけてあげる。
きぃは握手をしてから肩に毛布をかけ、ギュッと抱きしめてあげた。

「いつもそばにいるからね」

そんな思いを込めて。


毛布がもらえた人は、また何時間もかけて歩いて帰っていく。
みんな幸せそうな顔をしている。
今夜、暖かい毛布に家族全員で包まって寝ることを考えているのだろうか。


少女 提供S


しかし、毛布配布場所にいても、もらえなかった人は寂しそうな顔をして、手を差し出し、こう言った。

「Give me a blanket.」

でもその人たちに渡せる毛布はもうない。

「Sorry.Sorry」

こう言ってバスに乗り込むのが精一杯だった。
後ろ髪ひかれる思いだった。

そんなマラウィの人たちに約束してきたことがある。

「皆さんが、こうして私たちを歓迎してくれて嬉しいです。
いつも遠く離れているけれど、心はいつもそばにいます。
みんなのことを思っています。
私たちはきょうだいです。
日本に帰ったら皆さんのことを一人でも多くの人に伝えて、毛布をもっと差し上げられるように集めたいと思います。
だから待っていてください」と。


一日でも早く、日本の暖かい毛布に一人一枚配れる日が来てほしい。。。


子ども達



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