株/投資/ヘッジファンド/きまぐれぽんた

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ぶんせきぶんせき



テクニカル分析とファンダメンタルズ分析

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析のどちらが、いいのですか、どちらをより
重要視しますか、などという質問がたまに来る。テクニカル分析とファンダメンタルズ
分析にもそれぞれ一長一短があるために、一概には何とも言えないのだが、一番
良いのは両方の長所をうまく使うことだろう。テクニカル分析は比較的短期の投資
スタンスの人が重視するもの、そしてファンダメンタルズ分析は比較的長期の投資に
向いているとも言われているが必ずしもそうではない。というよりも、短期の投資家も
もちろんファンダメンタルズは見るだろうし、長期の投資家も買いのタイミングを探る
上でテクニカル分析を参考にするだろうから、どちらも重要、という結論となろう。

ファンダメンタルズ分析もテクニカル分析も過去の動きを前提に行なうことは同じ。
しかし、ファンダメンタルズ分析は『過去に加えて未来の動きを人間が加味できる』点で
『株式市場が大きく下落したとき』に大きく下落した有望な銘柄を探すのに有利に
なり、テクニカル分析は買われすぎ、売られすぎなどの短期の調整やトレンド、また
トレンドの変化点を把握できる点で『短期調整で有利』となろう。

テクニカル分析は株式市場が一定の方向に動いている時には絶大な効果を発揮
する。しかし、今回のように原油価格の急変や、テロ、政局の変化、為替動向など
『経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)の激変』が起こると、過去の経験則が
通用しなくなるどころか、予想ができなくなってしまう。上がるものは上がり続け、
下がるものは下げ止まらない。このため、テクニカル分析の下値抵抗ラインは
『ファンダメンタルズが変わるまで更新され続ける』ことなり、そうなってくると、この
分析からの下値や上値のイメージはつかめなくなってしまう。

逆に、短期調整の場合には需給バランスがテクニカル要因で転換するのが分かる
ため、ファンダメンタルズ分析ではなくテクニカル分析の方が圧倒的に有利となろう。

ファンダメンタルズ分析では『現在の株価が短期的に割高になっていて、目先は
調整で下落する可能性が高い』時でも、最終的な目標株価が高いところに設定
されていれば『買い』となり、買った後に株価が下落したとしても、「持っていれば
再び上昇するので問題ない」と判断してしまう欠点がある。2000年3月にITバブルが
崩壊したが、この時もファンダメンタルズ分析による高値はずっと高いところにあった
ため、株価が高値になっていても『買い』という結果を導き出し、多くの投資家が
財産を失った。特にファンダメンタルズ分析上、フェアバリューを分析し、算出しても、
その株価に達するとすぐ次のフェアバリューが計算されたりと、一貫性がないケースも
多々見られる。用は、PER100倍を超えるような会社はファンダメンタルズの分析から
株価を導き出すことすら難しいといわざるを得ない。100倍が妥当か、120倍か、
150倍か、どこが妥当な価格かなんて、誰にも分からないし、マーケットの環境に
よっては、80倍にも120倍にもなってしまうのだから。

このように、テクニカル分析、ファンダメンタルズ分析には『それぞれに長所と短所』が
ある。中長期の本格調整ではファンダメンタルズ分析の方が分が良く、短期調整では
テクニカル分析が圧倒的に良いということになるのはおそらく間違いない。一番良い
のは、「テクニカル分析が良いとかファンダメンタルズ分析が良い」と偏るのではなく、
両者の長所だけを使い全体としてのトレンドを把握し、次はどこへ向かおうとしている
のか、それを読み解くことになろう。。

テクニカル分析もファンダメンタルズ分析も、中長期的な高値から安値に転換する
ところは判断しきれない。問題は転換した後の分析方法にある。ファンダメンタルズが
悪化し続けたときには『テクニカル分析の下値抵抗ラインは次々と突破されていく』ので、
大きな調整ではテクニカル分析による投資判断は危険度が高くなってしまう。

そんなこんなで、どちらが重要ということはなく、どちらも信頼するだけの材料を提供
してはくれないので、併用していくことが望ましいのかな。よく機関投資家の中にも、
一生懸命詳細に何十層にもシートをリンクさせ、あらゆる想定を数値化したモデルを
作り、3年後の利益率やらEPSを計算し、そこから想定株式価値を計算し、その
絶対的な想定株価を崇拝するようなアナリストやマネージャがいるが、えてして
間違っていたり、パフォーマンスがあまり出ていなかったりする。本当に株価を動かして
いるのは、ファンダメンタルズでもなければ、テクニカルでもない。どちらに動くかを
予想するのにも、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析は絶対ではない。なぜならば、
これらは株価を動かす要素のほんの一部でしかないのだから。本当に分析をし、
どちらに動くか予想するのなら、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析に加え、
信用残高、材料、ニュースフロー、割安・割高感、同業他社の動き、マーケット全体の
トレンド、業種の方向性、出来高、経営計画、リストラ、浮動株比率、大株主の意向、
資金調達の有無、減損の必要性その他、たくさんたくさん見るべきところがあって、
これらの方向性からひとつのベクトルが決まってくるのだ。テクニカル分析やファンダ
メンタルズ分析が株価分析の全てではない。本当にこの市場で利益を出したいのなら、
9割が負けて退場していくこの厳しい世界で、安定的収益を生もうと思うのなら、
もちろん、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を軽視するなかれ。しかし、それ
以上にまだまだ勉強すべきことはたくさんありますぞよ。一緒に稼ぎましょう。そして、
情報を生かせるように、値動きや方向性が描けるように、勉強していきましょう。

ocean





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