かねの なーんちゃない話

かねの なーんちゃない話

・・・宣告




まだ、誰にも話をしたことがありません。
もちろん家族も知りませんが、
まぁ発症してから言えばいいやと思っています。
でも、ここに記しておくことで、
何かあったときに気づいてもらえたらいいなと思います。




今から2年ほど前なのですが、
ウチの親に突然「話がある」と呼ばれて、
妹と2人で実家に行きました。

そこであった話が、
かねと妹は遺伝性のとある病気にかかっている可能性がある
という事実でした。
その病気は、先天性のもので、
わかりやすくいうと、最終的に目が見えなくなってしまいます。

現在その病気の症状が数年前から
ウチの母親にでているということです。
実は母親の妹にすでに
ほぼ失明をしている人がいます。
なぜそうなったのかをずっと聞くことができずにいましたが、
原因は同じ病気のようです。

この話を聞いたとき、まさに目の前が真っ暗になってしまいました。

「目が・・・見えなくなる・・・。」





この病気の原因として考えられるのは、
血が濃くなったことのようでした。

古来かねの母方の実家は山間部の農村地帯で、
集落ほとんどが親戚というようなところです。
そうなると結婚相手というのも限られており、
元をたどると親戚や従兄弟というようなことも
当たり前にあったようです。

そういう中で、母方の祖父と祖母は結婚したのですが、
この2人も従兄弟同士だったようです。

それ以前からのこともあったのでしょうが、
ウチの母親の代で4人兄弟のウチ2人に
この病気の発症が認められました。
残りの2人にはそんなことを聞けるはずもなく
どうなのかはわかりません。
また母方の祖父はすでになくなっているのですが、
祖母はこのことを知りません。
なぜ自分の子供が盲目になりそうなのかは教えていません。


で、この病気は遺伝性と言うことです。
つまり、かねにも発症の可能性が十分あると言うことです。
救いは,かねの母親と全く別のところで生まれ育った父親の血を受けている以上、
先代よりは血が薄くなっていると言うことだけです。



100%発症するというわけではありません。



だが、逆に言えば、かねの子供達にも発症の可能性があると言うことです。



この病気はもともと
夜間目が見にくくなるということが最初の症状です。
これを聞いて病名をご存じの方もいらっしゃると思います。
また、この病気に関しての原因は、
現代の医学ではまだ解明されていません。
しかし、遺伝傾向があることだけはわかっています。
ただ、確実な治療法はまだ見つかっていないのが現状です。
しかし、自分で進行を遅らせたり、
予防をするということは可能です。

・ビタミンAを過剰摂取の中毒症にならない程度に摂取すること。
・できるだけ紫外線などから目を守るためにサングラスなどをすること。
・網膜に光が当たると病気が進行するといわれているので、
眼科の医師に特別な遮光眼鏡を処方してもらうこと。

かねは今現在の自分の見え方が
本当に他の人と同じなのかはわかりません。
もしかしたら発症して
症状が出ているのかもしれません。
子供達にも発症の可能性があるということは、
今家族の中で話すことはできません。
ただ、現実家族にも話をしていない状況の中で
どこまで不自然ではなく自分を守っていくのかと言うことを考えると
到底できません。
それとなくサングラスをすることぐらいしかできませんが、
本当は仕事中でも色つきのめがねをすべきなのかもしれません。
だが、実際は何も予防の手立てを打てていないのです。


いつか自分の目が見えなくなるかもという恐怖と不安。


ただそれとは逆に、目の見える今、
できることは何でもやっておこうと考えるようになりました。
いろんなところでポジティブに動く自分ができました。
会社のこと、人間関係のことなどなど。
それまでの自分では到底できなかったような大胆な意見を出したり、
考えられなかったような積極的な行動に出たり。。
それで迷惑をかけてしまった人もいますが・・・。



また、
「太く短く生きるのもありかな?」

好きなように生きてみてもいいのかなと心の中で思ったりもします。
これは今もそう思っています。
こういうポジティブな自分に巡り会えたことで
心から救われた気もします。



こころのどこかに失明との恐怖と戦いながら、
生きていかなければなりません。


でもそれも人生。
まずは今を楽しく、できることは何でもやって、
ポジティブに生きてみたいと思います。



その結果、発症しなければそれもよし。
万が一失明しても後悔しないようにしたい。
今現在発症していないと信じている。
それだけでも自分は幸せなんだなぁと思わなきゃ。
まだあまり真剣に考えずに生きていけるだけ
本当に幸せだと感じる。



ただ、これだけは願うところである。

どうか、かねの大事な子供達にこの病気が遺伝しませんように。。。
かねの代でこういう話をせずに済みますように。。。
家族にこういう話をせずに最期の時を迎えられますように。。。
そしてこの病気で苦しんでいる多くの仲間達のために、一刻も早く治療法が見つかりますように。。。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: