綺羅

人魚姫



   私は、ただ単にそばにいたかっただけ

   私の存在に気づいて欲しかった

   痛みとひきかえに手に入れた足は

   突き刺すように痛むけど

   あなたに会えるなら、それだけで耐えられたの

   でも、あなたのそばにいるのは私ではない

   苦しかった・・・息が出来ないほどに心が病んでいく

   私は、あなたを憎んだ

   手の中で光を放った刃が私の心にささやく

   「殺せ!そうすれば、お前が苦しむことはないのだ」

   と・・・でも、私はあなたを殺せなかった

   あなたを心から愛していたから

   これも一つの愛なのですか?

   私の想いが届く事はないのですか?


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