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日常・・・
リッカー (第四章)
偵察部隊は各それぞれ分かれて偵察を行っていた。
スコットは通路出口から東に向かって歩いている。茂みも何とも感じないように歩く。
「何か出て来るのだよな・・・」
スコットは独り言をつぶやきながら進んでいった。
ネイオはスコットとはまるっきり正反対の方向を歩いていた。
彼の思考は島の安全性だった。あれほど巨大な恐竜がいたら生存者はいないだろう。なのに、なぜ隊長は生存者を探し回るのだろう。
一応ゼイドの死亡は本部に連絡を入れていた。その時に救助要請くらい出せばよかったのに・・・。そんなことを考えるネイオの頭上にある木の枝を、ある生物が飛び移ったのは、気付いていないだろう・・・。
マニーはまた、一人で歩いていた。先ほどの出来事から偵察はトラウマになっていたのだが、世間は容赦ない。そんなマニーを再び偵察に向かわせるのだから。
(ボークは、俺のことを見捨ててしまったのだろうか・・・)
その時、前の草むらから、何かが跳ねて上の木の枝にジャンプした。
何かと思って目を凝らすと、それはこの世のものとは思えないほどの生物だった。
皮はなく、筋肉がむき出しの状態というのだろうか。前足と後ろ足には大きな爪と、頑丈な肉がついている。大きさは大型犬、いや、トラくらい。口は大きく、目は小さい。口は大きく鋭い歯が並んでいる。長い下も備えている。四速歩行・・・。
こんな生物を目にするのは初めてだ。しかし、初めての視聴でも可愛い生物とも、場を和ませる生物とも思えない。単純に危険そうだ。
後ろの草から、もう一匹の同じ生物が飛び掛ってきた。マニーは驚きつつも、本能的に交わす。更に、木の枝に立っていた生物も下のマニーに向かってジャンプしてきた。それも交わす。
そしてマニーは銃を取り出すと、その生物めがけて連射し始めた。しかし、どういうことだろうか。弾は当たっているのだが、その柔らかい筋肉に吸収されているようにまったく効果がない。そしてマニーは皆を無線で呼んだ。
「ヤバイ。変な生物に襲われた。銃声が聞こえるから、その方向へ・・・」
マニーの声はそこで途切れた。何か危険な目にあっているようだ。隊員や偵察部隊員は慌てて駆け出した。
マニーはくたばったわけでなく、謎の生物の襲撃をかわしたとき、無線機を落としていた。
怪物は長い舌を出してマニーを威嚇する。
そして、正面から飛び掛ってきた。マニーは死を覚悟した。
が、しかし謎の生物が目の前に来た時、正面で小さな爆発が起こった。
目を開けると、先ほどまで自身を襲おうとしていた生物の死体が転がっていた。
マニーは驚いて辺りを見回すと小型ミサイルランチャーを構えたネイオが立っていた。
ネイオはすばやく銃に持ち返ると、もう一匹に向かって連射を始めた。
マニーはそれを見て立ち上がると、背後から何かが迫ってきた。隊長だった。
「大丈夫か、マニー」
「あぁ、大丈夫だ」
「良かった・・・それよりあいつはなんなんだ」
隊長が木の枝を自由自在に飛び回る謎の生物を指差して言う。
「俺にもわからない・・・この世のものとは思えない・・・」
奏マニーが言ったとき、謎の生物が別の草むらから新たに出現した。
二人はそれを何とか交わす。
銃を手に撃っていたネイオがあることに気付いた。
「なんだ、銃が利かないぞ」
ネイオは叫んだ。やはり当たってはいるのだが、依然として生物は飛び回っている。
「ネイオ!銃は利かない。当たっても血は飛び散るが、筋肉内で吸収されているようだ。銃は所詮脅しや追い払うことくらいにしか適さない!」
マニーは銃声に負けないくらいの大声で叫んだ。
「やばいんじゃないか、それだと」
援護に駆けつけたスコットが呟いた。
一方、地下通路出口に緊急用テントを構えてバランの傷の手当などを行っているカプラン、ナイズはこの銃声を聞いて、いささか不安になってきた。
「なんなんだ、この銃声は?何かやばいことでもあったのか!?」
ナイズが銃声を聞いて、カプランに問いかける。しかしバランが代わりに答える。
「俺を襲った恐竜じゃないか?でも足音なんかはしない・・・」
カプランは聞こえない不利をして、せっせとテントを組み立てていた。
「くそ、隊長、撤退しようぜ」
O・Bが提案するが、隊長により却下される。
「だめだ。今のうちにやっておかないと・・・後々面倒なことになる」
隊長は今後のことを考えていた。
「くそ・・・もうダメかもだ・・・」
銃声を黙って聞いていたナイズはついに援護に駆けつけることにした。
「カプラン、この銃声は異常だ。俺、何か確かめてくる」
「おい、待てよ!!何か分からないんだぞ!」
カプランの制止を振り切り、ナイズは銃声のするほうへと向かった。
謎の生物の襲撃を受けているネイオたち。だんだん戦闘はヒートアップしてきた。
スコットが小型ミサイルで撃つが、かすりもしない。
「お前ランチャーの発射下手くそだな」
ネイオが嫌味を言う。もちろん冗談半分だ。
相変わらずスコットはミサイルを放ち続ける。すると、一匹の方の足に命中した。
足を失った怪物は草地に落下した。そこをスコットが撃ちまくる。
どうやらくたばったようだ。
「隊長一匹仕留めたぜ。どうよ、ネイオ!俺はミサイル射撃が下手だって?んなことぁ・・・」
その時、草地から生き残っている別の怪物がスコットめがけて飛び出してきた。
スコットは振り向く。既に目前にまで迫ってきていた。
しかし、急に失速してスコットの体に力なく激突した。
「ったく、お前は・・・自信過剰すぎだぞ」
ネイオが発射後の小型ランチャーを構えてつぶやいた。
しかし、安心はしていられなかった。相変わらず二匹の怪物に悪戦苦闘が続いていた。
「このままじゃやられるぜ。早いとこ撤退しよう」
O.B.は撤退の気持ちを曲げない様子である。しかし隊長は
「今のうちにやっとかないと、被害者が多く出る。なんとしてでも倒せ」
なんとしても倒したい様子。これで部隊を守ろうという作戦なのだが・・・
その時、草を掻き分けてナイズが走ってきた。
「何があった!!」
そのとき怪物がナイズに目をつけた。状況が理解できていないナイズは丸腰同然であった。
怪物が一匹、木の枝の上から大ジャンプをして、ナイズに飛び掛った。ナイズは怪物と共に倒れこむ。
「ぐはぁぁ!だぁぁ・・・」
ナイズがもがく。ネイオは何とか気付きナイズの上の怪物を銃で追っ払おうと連射した。
何とか怪物が連射に耐え切れず避けるように枝にジャンプした。
ネイオと近くにいるマインはナイズの元へ駆け寄る。しかし、無残な姿で・・・。
「くそ・・・」
マインが嘆く。後ろから隊長やスコットらが駆け寄ってきた。
「何とか追っ払った。ナイズは・・・だめか・・・」
隊長は低い声を鳴らす。
「とりあえずさっきの地下通路へ戻ろう。あそこが安全だ・・・」
隊長の一言で、部隊は先ほどの場所へ逆戻りをし始めた。ナイズにはネイオのレインコートを被せた。
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