きよぞうと愉快な仲間達

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こんとあき



 こんとあき      林明子作  東京 福音館書店 出版1989年

                            平成14年 7月頃

兄に最初に読んだのが3歳半ばの頃。
その頃はじーっと聞いてはいたけど、反応らしきものはなかった。
読み終わった後は、流されて次の本へ行く感じ。

最近(4歳)になって、近所の人がどっさり絵本をくれた中に、この絵本があった。
「昨日(この間の意)読んだでしょ?これ。電車がいい感じだね。」
兄がそういうものだから、読んでみたのが再会のきっかけ。

こんとあきが出会う所から読み進める。
4歳になると、話の前後がよりつかめるみたい。
途中、こんがお弁当を買いに列車を降りてヒヤヒヤする場面がある。
物語に入り込んでいる兄は本当にドキドキしているよう。
そわそわ落ち着かない。
何とか間に合うけど、こんの尻尾が列車のドアにはさまれている事に彼は毎回怒る。
「何で間に合うようにかえってこないんだ、バカだなあ、もう。」
砂丘でも、こんが犬に連れ去られる。ここでも一喝しないときがすまない。
「何で寂しい所を行くんだろ。おばあちゃんが待っているのに。バカだなあ、もう。」

でも、この絵本のいいところ。
ちゃんと帰る所がある。暖かい笑顔で待っているおばあちゃんが描かれている。
兄もおばあちゃんが大好き。だからこの場面が彼にとって安堵できる所。
不安な気持ちがちゃんと帰れるところがある。読んでいる私もなんだかホッとする。
最後は暖かいお風呂の絵。暖色系で笑顔もやわらかい。

冒険をしてばあちゃんの胸に返ってきたようなそんな気持ちがする絵本。
読んだ大人も、聞いていた子供も・・・。






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