おしゃべりしようよ

最期のお正月





旦那ちゃんがいた最期のお正月。
年は越せないかもしれない、と言われながらも
まだ持ちこたえていた。

帰省する前の日、旦那ちゃんは、血小板の輸血を受けに病院へ。
その輸血中、視野に異変が起きたそうだ。
輸血は途中でストップ。
原因はその時はわからなかった。

さて、困った。
実家へどうやって帰る?
旦那ちゃんは運転できなくなってしまった。
私が運転しなければならないだろう。
なんとしても、旦那ちゃんを実家へ連れていかなくちゃ。

その年も雪が多く、高速は通行止め。
一般道は渋滞しているのは必至。
雪道や長距離を運転していたのは、いつも旦那ちゃんだった。

私で大丈夫か?

連れていかなくちゃ。
絶対、後悔する。

それから、ネットとラジオで情報収集。
地図とにらめっこ。
どのルートが走りやすいか?
どっちの車で行く?
私の愛車?高速で安定感のある旦那ちゃんの車?
遅くなれば暗くなる。
なるべく早く出発したい。

そのうち、高速道路の通行止めが解除になった。

今だ!!

慣れない道を行くのだから
せめて運転しなれている私の愛車で行こう。


無事に到着。


静かなお正月でした。
何処に行くわけでもなく、ROTTYは外で雪遊び。


お正月を過ぎると、容態はますます悪化。

心配と悲しみで心は押し潰されそうだったけれど、
あれが、我が家の最期の平和だったのかもしれない。






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