エッセンシャルオイルとは?




 エッセンシャルオイルはエッセンスとも呼ばれていますが、
非常に濃い物質で芳香植物と樹木のさまざまな部分から抽出されます。

 エッセンシャルオイルの科学的性質は複雑で、テルペン、アルコール、
アルデヒド、エステルなど何百種類もの成分がほとんどのものに含まれてます。
ですからたった1つのエッセンシャルオイルで幅広くさまざまな不調を治す
手助けができるのです。

 エッセンシャルオイルは分子構造が微細なので、皮膚につけると
血流にまで浸透します。また吸入された芳香分子も血液に到達します。
肺に入ったあとは、拡散しながら全身の毛細血管に送られます。
ひとたび血流に届いた芳香分子は、身体の科学的性質と影響し合うのです。


☆抽出方法

  蒸溜法----------エッセンシャルオイルのほとんどはこの方法で生産されます。
        まず原料を容器に入れ、ボイラーで沸騰させた湯または水蒸気を通すと、蒸気は
        放出口のパイプに送られます。蒸気は冷却水が流れている冷却筒の中を走るパイ
        プを通り、冷やされ、凝縮液を受ける2つ目の容器に滴り落ちます。
        この工程で、沸騰した湯または水蒸気によって、植物原料の組織が柔軟になり
        エッセンシャルオイルが放出されます。これが気化してパイプの中を水蒸気と
        ともに通り、冷却器によってオイル、水蒸気ともに冷却されて液体になります。
        エッセンシャルオイルと水の混合物であるこの液体は受容器へ流れます。オイル
        と水は比重が異なるため、受容器に入ると分離します。エッセンシャルオイルは
        表面に浮いて、流し出され、濾過されたあとに容器に詰められ、出荷を待つばか
        りとなります。

  圧搾法----------柑橘類のオイルは果実の外皮にある油腺から取りますが、普通は蒸溜ではなく
       圧搾によって採取します

  アブソリュート--ジャスミンの花のエッセンシャルオイルはとてもデリケートなため、蒸溜法で
          作る事はできません。熱のせいで芳香が飛んでしまうのです。ジャスミンの様
          な花から芳香を抽出する際、昔はアンフルラージュという方法が用いられてい
          ました。これは木枠にはめられたガラス板(シャシイ)に特別に調整された油  
          脂を塗り、その上に摘みたての花を置いて行くもので、シャシイを積み上げ一
          晩寝かし、花から出るエッセンシャルオイルで油脂が飽和するまでこれを繰り
          返します。
          アンフラージュはひどく手間のかかるものでしたが、フランスのグラース地方
          では有名な産業になりました。この香り高いアンフラージュ脂はポマードと呼
          ばれ、これを更にアルコールで抽出したものがアブソリュートです。
          今日では、アルフラージュのようにロマンのある職人技によってアブソリュー
          トが作られる事はほとんどなく、多くは溶剤抽出法で生産されています。これ
          は植物原料を揮発性の溶剤をいれた容器に漬け込む方法で、溶剤にはへキサン
          がよく使われます。まず、溶剤が植物組織に浸透するよう、容器の内側に取り
          付けられたフィンで中身を良く攪拌します。エッセンシャルオイルやワックス、
          葉緑素、樹脂様物質などが溶け出したら、溶剤を回収するため抽出物を他の容
          器に移し替えます。そして容器を穏やかに加温して揮発性の高い溶剤を気化さ
          せると、コンクリートもしくはレジノイドと言われる残留物が残ります。最終
          的にそのコンクリートを純度の高いアルコールで洗い、残留物のワックスから
          アブソリュートを分離します。その時点でアルコール溶剤は回収され、アブソ
          リュートの完成品のみが容器に詰められて出荷に備えるのです。

  窒素抽出法と
  二酸化炭素抽出法--これらの抽出法には、蒸溜法のように熱を使わなくて良いという利点があり
           (そのかわり、高い圧力をかけます)ガス以外は溶剤を使用しません。
           二酸化炭素は酸化ガスだからエッセンシャルオイルの化学構造を壊すと主張
           する人もいます。生きている植物の香りに近い香りをもつオイルを採る事が
           できるのですが、この抽出法に必要とされる装置は非常に大掛かりなもので
           大変コストがかかるのと扱っている業者がほとんどないことが欠点です。


☆保存法

  光と熱と酸素はエッセンシャルオイルを劣化させてしまいます。
とりわけ日光に対してはダメージが大きく、触媒として作用するため、オイルの劣化を早めます。

したがって色付きのガラス瓶に入れ、なるべく暗い場所に保存しましょう。

エッセンシャルオイルにしろマッサージオイルにしろ、プラスチック容器に入れてはいけません。
プラスチックとエッセンシャルオイルの成分の一部が化学反応を起こし、
オイルの芳香も効果も台無しになる恐れがあります。

☆使用方法

  マッサージ
    エッセンシャルオイルの使用法として最もよく知られるのはマッサージです。
    マッサージオイルを作るには、エッセンシャルオイルをベースオイルかキャリアオイルで
    希釈する必要があります

  芳香浴
    エッセンシャルオイルを入浴剤として使う方法です。
    お湯にそのまま入れても良いオイルは刺激性の全くない物だけです。
    4~6滴たらして入りましょう。
    大半の種類はキャリアで希釈してください。

  湿布
   温湿布を作るには、まず器にお湯を入れてからエッセンシャルオイルを加えます。
   腫れ物1つくらいの治療なら エッグカップ1杯分のお湯にオイルを2滴、
   広い範囲の治療なら 大き目の器に張ったお湯にオイル6~8滴入れ、木綿の布が表面に浮いて
   いるエッセンシャルオイルに触れていることを確かめながら布をお湯に軽く浸します
   そして余分な水分を絞ったらすぐに、患部にあてがい上からラップ類を巻いて患部を温かく保ち
   その上からタオルを巻きます。これを20分おきに繰り返して1時間ほど湿布してください。
   冷湿布を作るには、まず器に水を注いで氷を入れます。そこにオイルを4~6滴おとし木綿の布
   をその水に浸して絞り患部に湿布します。そしてそのうえから氷嚢をあてがい患部を冷たく
   保ってください。

  ルームスプレー
   部屋の消毒や消臭、虫除けなどに使います。
   作り方は、スプレー容器に水を半分ほど入れこのみのエッセンシャルオイルを40~60滴
   加えて良く振り混ぜるだけ。

  バーナーと蒸発器
   市販されているバーナーは、ロウソクの火を使うタイプと電気を使うタイプの2種類があります。
   いずれも少量のお湯を上皿に入れそこにエッセンシャルオイルを数滴たらします。
   蒸発器は、内側のファンが蒸気を拡散させるものです。
   これらのそばにいること自体が、蒸気を胸に吸い込み、エッセンシャルオイルの効果を享受する
   のに便利な方法です

  吸入
   洗面器に熱湯を張りエッセンシャルオイルを3~4滴たらします。あとはその洗面器に顔を寄せ
   バスタオルを頭から被ってテントを作り、湯気を閉じ込めて蒸気を吸います。
   ただし、蒸気吸入法は、やや強いので、てんかんや喘息の方が用いる場合には注意が必要です。
   手軽で簡単な吸入法としては、ティッシュにオイルを2~3滴たらしたものを鼻のそばにかかげ
   蒸発するオイルを頻繁に吸い込む方法があります。

  サウナ
   オイル20~40滴ほどを水差しの水に入れサウナの中でそれを石炭に振りかけます。

  うがいとマウスウォッシュ
   エッセンシャルオイルをうがいに使用する場合は、刺激や毒性が全くない物以外は
   あらかじめキャリアで希釈してください。
   うがいには5ml(小さじ1)の強いアルコール(ウォッカが望ましい)に2~3滴の
   エッセンシャルオイルを滴下したものをエッグカップ1杯分の水に加えてください。
   マウスウォッシュを作るには、同量のアルコールとオイルをお湯に加えれば良いのです。

  香水
   エッセンシャルオイルの中には、皮膚への刺激がなく希釈せずに香水としてそのまま
   肌につけることができるものもあります。ネロリ、ラベンダー、ジャスミン、サンダルウッド、
   ローズなどで、香水と同じく脈拍が感じられるところへ少量つけるだけで良いのです。
   また数種類のエッセンシャルオイルを組み合わせたものを、フレグランスベースにした
   ウォッカに加えるとコロンができあがります。

  軟膏
   切り傷、擦り傷、虫刺され、水虫、たむし、唇ヘルペス、しもやけなどあらゆる皮膚のトラブルに
   使える軟膏です。エステティックアロマセラピーのページで作り方を記しておきます。



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