亜依の生い立ち #1



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亜依を拾ったのは、2004年7月5日職場の玄関でのことでした。
片手に乗るくらいの小さな黒い猫。
傘立ての後ろに隠れていて、人が来ると小さな痩せた身体で
「カーーーッ」て人を脅していた。身体中ノミとノミの卵とダニだらけ。
事務室で保護して、里親を捜すことになりました。
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拾った次の日、初めてシャンプーしたらチョコレート色の猫だと
いうことが判りました。 かわいい縞々も手足としっぽにありました。
洗った時、全身から茶色の粘土質の土がいっぱいいっぱい
流れて行きました。 この子は土に埋められていたのかも知れない、
と、思いました。普通に歩いていて、こんなに毛の根元まで
こびり付く様にびっしり、粘土だらけになるはずがありません。
鹿児島のある場所に、猫がよく捨てられて埋めら
れている とことを知ったのは、もっとずっと後になってからでした。
シャンプーの後、初めて落ち着いた表情になり、私の手を
ちゅぱちゅぱするようになりました。
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この頃はまだ、コピー用紙の空き箱がお家でした。ご飯もうんちも
ここの中。 ひどかったね。ごめんね。
隙あらば逃げようとしていたので仕方なかった。
ちゅぱちゅぱをするようになってから段々私にも慣れて
逃げなくなりました。この頃は「ちっちゃい子」と呼んでいました。
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ちっちゃい、ちっちゃい亜依。拾って一週間もしないうちに
私の心はすっかり亜依のとりこになってしまってました。
事務室で飼ってましたが、私が飼いたいと思い始めたのも
この頃でしょうかね。里親探しに熱が入らなくなりました。
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この頃は、事務室の半分に柵をして、外に出ないようにしながら
飼っていました。今はちょうどいいこのお座布団もこの頃は、
ちんまりと寝ていますね。
この頃は「あーちゃん」と呼んでいたような気がします。
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段々慣れてくると、事務室を走り回り、飛んだり跳ねたり。
デスクに頭をぶつけて、私がぶったんだと誤解して、私を
怖がったり(ひどいわ!!!)。私は土・日も亜依のために
職場に通っていました。「アイ」と名付けたのは拾って
一週間くらいした頃でした。

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「亜依の生い立ち」全てのイラストは 「刺繍糸」 さんのところから。




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