2002/07/05
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 少し間を開けただけで誰がどれやら最初は思い出せなかった。この間というのは不思議なもので、深刻で暗鬱なはずのこの物語も珍奇で滑稽なものにしか見えてこなくなる。そして実際に、濃い面子が乗った船が転覆した後も、水に浮かびながら交わされる、ほぼ無意味と思える議論というより、各々偏屈な個性的意見を吐かねば自らが存在しなくなるといわんくらいの勢いで進む妙なテンションの会話は、コント臭い。


 ──まあ、まあ、ちょっと待って下さいな。この上もないお喋りとお喋りが互いに出会えば必ず途方もない、ただ無駄ばかりの無意味で馬鹿げたお喋りになるそうですけれども、それにしても、ほんとうやら根も葉もない嘘やら、そんなことはどうでもいいといった廻りくどい途方もない話をつづけて、いったい私に貴方は何を言おうとしてるんですの・・・・・・?


相変わらず津田夫人だけが正しい。

読んだのは六章のみで一冊になってる分だが、ヒットしなかった。
埴谷雄高「死霊 2」(講談社)





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Last updated  2002/07/05 05:18:28 PM
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