2002/11/23
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 似ている。それぞれ違う生き方を生き、違う狂気を孕み、堕ちたり転げたりする登場人物たち。女たち。男たち。書かれた人物を書いた者が同じならそうなるというわけでもない。ここに描かれた相似形はこの時代ならばそれは当然のことであったかのよう。前半の主役である路地の奥の家の描写がいつまでも影を落とす。「夜の香り」に出てくる大倉に似ている、川崎というぶらぶらした男。こちらは死なないので汚く生きる。
 実状を見たこともないくせに郷愁に浸れる物語序盤の路地奥の光景、それを過ぎてからは、いつもの、というわけではないが、馴れた古井作品の(いつのまにか馴れていた)枠を出ない、少し小粒の作品だとたかをくくっていると、ある日突然住んでる国がなくなるような展開を見せ、そういえば現実の対話でも急な展開はまず静かな語られ方から始まるものだと、確かに思い出したような気になる。多くを経験したわけではないが、そのようなことはあった。
 この作品の文章に魔力はあまりない。
 巻末解説は後藤明生。

古井由吉「女たちの家」(中公文庫 現在お取り扱いできません)
でもアマゾンのユーズドストアでは1280円とある。





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Last updated  2002/11/23 02:33:32 PM
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