2005/01/20
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カテゴリ: 国内小説感想
 舞嬢王太郎デビュー作。第十九回メフィスト賞受賞作。テーマ「家族愛」らしいミステリー。犠牲者は母親。暴力的な、あるいは理想的な男たち。この男たちの書き方がどうも、女性くさいとまた感じる。ややしつこい。
『ゼイリブ』というSF映画で、サングラスをかける/かけないの言い争いから15分くらい主演男優二人が殴り合いを続ける場面がある。無意味で真剣な暴力の応酬、そんなことを読みながら思い出した。
 福井県が産んだ暴力の王・政治家奈津川丸雄、その息子たち一郎・二郎・三郎・四郎、彼らの親子喧嘩や殺人事件や謎解きやらドラえもんやらワイワイガヤガヤという話。中盤の二郎の過去はちょっと長すぎるなあと思った。







 福井弁? と関西弁は似てるのかな。発音が違いそう。
 酷い父親に、真面目なのもいるけど結局は父親の血を受け継いで暴れるのが好きな息子たち。陰惨な暴力描写が多いにもかかわらず、父子の愛の交歓が稀に見られて、不意をつかれて涙ぐみそうになった。ところが、母親及び祖母などの女性陣にはそういうものが希薄で、アンバランスさにこちらが不安になってしまう。「理想的な暴力男」として書かれる男たちと違って、どの女性も描写が簡潔に過ぎる。どこか少女漫画の雰囲気さえ漂わせる。私がミステリーに読み慣れていないだけで、こういうものなのかもしれないけれど。
 面白いけどちょっと食い足りなくも感じるのは、ジャンルに対する不慣れのせいか。


講談社文庫 2004年





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Last updated  2005/01/21 01:44:33 AM
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