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小枝チョコレートおいしいね。 こえめ
です![]()
さくさくの粒がいいんですよね、あれ。
一度でいいから、
ジャンボな小枝チョコを
ガジガジしてみたいんですけど、
なぜかお店で見かけても手が出せない。
そんな小心者です。
―8― 実夏
「ぴぃー、ぴぃー、ぴー」
森に入ったところで、あたしたちは
一所懸命に、小鳥の鳴きまねをしていたの。
「だめだね、ちっとも寄って来ないね」
「実夏ったら。まだはじめたばかりよ。これからこれから」
真矛が、もっと小鳥の声をよく聞いてお手本にしようと
言うので、耳をすませてみたけど、
アタシ達がくる前まで、
うるさいくらい鳴いていたはずの小鳥たちは、
みんなどこかに隠れちゃって、
さやさやと風に揺れる木々の
はずれの音だけだった。
ちょうどそこへさんが、
出来立てのアイスクリームを持ってきてくれたので、
三人で木陰のベンチに座って、一緒に食べた。
くるみや酸っぱい赤い実なんかが混ざった、
少し溶けかけたアイスは、濃いミルクの味がして、
木苺が口の中でぷちって弾けると、
普通のイチゴなんかよりずっと大人の味がした。
何時の間にか 小鳥たちが戻ってきていたので
あたしたちは耳を澄ませた。
それからまた、小鳥の呼び寄せの修行をしに森に戻ったけど、
結局その日は何事もおこらなかった。
あれは何日目だったかしら。
また今日もどうせ同じよ、他の事やろうよ、と
言い出そうとして、思いとどまった。
ついに小鳥が、頭の上の枝に止まったのよ!
真矛が小声で「続けて」って言って、
あたし達は顔だけで大喜びしながら、
小鳥の声を出し続けた。
そうしたら本当に、
きれいな色の小鳥たちが、一列に並んだの!
しかも枝にぎっしり!
魔法だ!って直感した。
今度はこっちの枝、次はあっちというふうに
小鳥をどんどん止まらせていった。
気が付くとまわりの枝という枝が、
にぎやかに歌うカラフルな鳥たちで
埋め尽くされていたわ。
オレンジ色のくちばしの、枝がたわむくらい大きな鳥や、
尾羽が地面に届きそうなくらい長いのや。
キーキー、クルルルル、ピョーロロロ、もう、うるさいくらい。
それに負けないように、あたしたちも声が続く限りさえずり続けて、
とうとう声が枯れて調子が狂ったと思った瞬間、
うそのように消えちゃった。
あとには、いつもの可愛らしい小鳥の声だけ。
あたしたち、出来たのよ!
それから手をつないで、
ジュースの乗ったお盆を持ってこっちをにこにこ見ている
リカさんに向って、
駆け出した。
(つづく)
実夏のお話はひとまず終了。次回から、彩葉が語ります。( 次のお話 )
後でお伺いさせていただきます。
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