コイケランド

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2012.05.07
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カテゴリ: 雑記
 2012年(平成24年)05月04日(金・祝)。朝方携帯電話のメールを見ると1件受信している。母からだ。

 1914年(大正03年)05月30日生まれの祖父は満97歳である。

 05月05日(土・祝)。職場は休みとして帰省する。
 葬儀場の控え室へ行くと祖父の遺体がある。顔を覆っている白い布をめくる。存命中最後に対面したのは祖母の亡くなった2009年(平成21年)07月だったはずである。3年弱の間に何が変わっているのかわからない。相変わらず眉毛が長いと思う。家族と一緒に納棺する。祖父の体は冷たい。しばらく動けずにいたため筋肉がほとんどない。
 通夜に出席する。人が少ない。静かな雰囲気である。そのことが祖父の長生きを改めて証明しているように感ずる。
 通夜の後で会食がある。臨席の人と途切れ途切れの会話を交わす。いくつかの断片を継ぎ合せると自分がその人について多少知っていることがわかる。昔祖母が「Yのうちの息子はお坊さんの学校へ行ってるんだで」と言っていた。そうかこの人なのか。
 実家へ行く。とても明るい月が出ている。にもかかわらず星も見える。北斗七星が確認できるので北極星はどれなのか推測してみる。

 05月06日(日)。

 10:30頃自宅を出る。近くの国道は連休の影響で若干渋滞している。沿道の風景は新緑が見事だ。
 葬儀場へ着くと間もなく出棺となる。棺を開け花を入れる。祖父の眉毛に触ってみる。やはり長い。
 霊柩車とマイクロバスで火葬場へ向かう。山の中である。天気は相変わらず降ったり照ったり。
 火葬中は待合室で昼食。父が母方の伯父と消防団時代の思い出話に花を咲かせている。昭和37年(1962年)03月07日に他の消防団の消防車が吾妻渓谷に転落しその救助活動に携わったことがクライマックスである。
 収骨。焼け残った骨の量が多いように感ずる。少なくとも祖母のそれよりは多い気がする。
 葬儀場へ戻り告別式。最後にお清め。実家を出て23年が経過し地元との交流がほとんどない自分にとっては新鮮ささえ漂う。
 JR線に乗り東京へ戻る。車中から丸く大きい月がずっと見えている。

 前述のように最後に祖父と対面したのは2009年(平成21年)07月であったはずだ。その際に兄と同行している。祖父は兄と私との区別がつかない様子であった。しかしながら部分的に記憶が明確なようで昔話をいくつかしてくれた。
 「俺は今だって馬には乗れるで。」祖父は騎兵として従軍した経験がありそれが大きなプライドなのだ。
 「蚕糸学校を出てるしお蚕はいろいろ知ってるで。」祖父は群馬県立蚕糸学校を卒業した。昭和初期にそこへ通学していたことになる。当時群馬県の養蚕は花形産業だったはず。実家では私が小学校の頃:1980年(昭和55年)頃まで養蚕を続けていたと思う。この経歴もまた大きなプライドなのだ。





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Last updated  2012.05.07 20:55:12


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