こけだまのつぶやき がんになって今思うこと

こけだまのつぶやき がんになって今思うこと

手術当日


眠剤のおかげか 前日一睡もしてなかったせいかぐっすりと寝てさわやかに目がさめた。
なのに、トイレがチョー近い。5分おきにトイレに行きたくなるし終わり際に痛みが走る。
「もしや・・・?」そうボーコー炎になってしまった。多分脳血管撮影の後 ベッド上で
トイレができず管を入れて取ってもらった時にバイキンが入ってしまったのだろうと思う。
手術当日だし、どうせ尿の管入れるんだからまぁ、いっか。とそのまんま放置。
あまりにトイレに頻繁に行くので同室の「親切さん」(前日 手術恐がってる私にわざわざ
カーテンを開けて「ちょっといい?」と話し掛けられご丁寧に「心配だよね」と追い討ちだけを
かけてくれた同年代の糖尿病女性です。だったら何?アナタ代わってくれるの?
ちょっと迷惑だった。当事者の身になったらそんなこと言えるはずない…と思うんだけど)
に「どうしたの?」って聞かれてしまった。
手術着に着替えて待っていると8時すぎ、看護師さんが「そろそろ行きますよ」と車椅子を
持ってきてくれる。ちょっと待って、まだダンナが来てないよ!あやつめ!何やってるんだ?
家に電話してみた。眠そうな声でヤツが「今から出る」って?ソバ屋の出前か?
家から病院まで40分かかるのに絶対間に合わない。もう、捨てました。看護師さんに
「ダンナが来たら もう知らん。バカ!って言っといて」とお願いし手術室へ向かいました。
点滴もしないで手術室へ行くのは初めてです。車椅子というのも初めて。別に歩けるのに・・
直前逃亡を防ぐ為だろうか・・・こんなときに限ってエレベーターは早くくるし あっという間に
手術部へ引き渡されてしまいました。
手術室はやっぱり殺風景。無影灯だけがやたら目立つけど きっと麻酔が効いたら
後から後から機械を運ぶに決まってる~。
「肩に注射しますよ」あーやっぱりやるんだこの注射!一番痛い注射。「いたーい!」(泣く)
「ごめんねぇ」(でもやめないし)
「おはようございます」と昨日の綺麗な麻酔科の女医さんが顔を出す。「おはようございます」
とこちらも知った顔に会ってほっとした。
「じゃあ点滴しますね」と女医さんは言い、右手の甲(左手はギブスなので使えない)から
綺麗な顔の割に大胆に、例の樹脂製の針をグググ~ッとかなり奥まで刺しこんで点滴を始めた。
私は「これってなんの点滴なのかなぁ・・」とか考えていたような気がするが、
多分1分もしないうちに意識がなくなってしまった。

麻酔から醒めるとき、いつもなんだか回りがガチャガチャうるさい。ストレッチャ-に乗せられて
いるのがわかる。
「手術終わったよ~!顆粒膜細胞腫じゃなかったからね!」とこれはKセンセの声だ。
「pasochikoさぁん!目開けて!」と看護師の誰か。(ムリだってば)
麻酔から醒めたと同時に猛烈な悪寒が襲ってきた。傷の痛みなど吹き飛ぶような悪寒の嵐。
「さぶーい、さぶーい、さぶーい・・・」呪文のように唱えていた。
「湯たんぽおいてあるからね」と看護師さんの声がするけど(嘘つけ~!全然あったかくない
もん!)と思いながらひたすら耐えていた。
遠くで看護師さんが「センセ!pasochikoさんのダンナさん、どっか行っちゃいました」とか
言ってるのが聞こえた。(あのヤロー!!!)
はっきりした時間はわからないのだけど、朝8時半に手術室に入って出てきたのは多分午後5時
頃だったのではないかと思う。
麻酔で眠らされている間に右手には点滴が2箇所、頭からドレーン(管)が出ていた。
首にも点滴が…クビ!鼻からは胃液の管 胸には心電図 足にはストッキングと一定時間で圧迫
される機械。左手の指先には酸素量を測る機械 あー右手には血圧の機械。最後に酸素マスク。
他にもあったのかもしれないが見える範囲ではこれだけ。すんごい重装備の私。
ICUの個室で寒気でうんうん唸ってた。
寒気のため手足が震えるのでダンナが聞いたみたいで、看護師さんが「熱がまだ出きっていないから悪寒がしてるんですよ」と説明してるのが聞こえる。
頭の手術なので終わった早々でも「どこか痺れてない?」「手足動かして」「今日は何日?」
「名前は?」「ここはどこ?」「いくつ?」「なんでここにいるかわかる?」と質問攻めにあう。
あげくに目にライトあてられ瞳孔の反射見られたりして・・・
熱あるし喉痛いし苦しいし頭痛いし 私は3日くらい寝かしといて欲しかったのに。。。
「アタマはだめ!」一言で却下された。
3日くらこの質問攻めは続いたような気がする。
そして けいれん止めの筋肉注射。これも朝晩3日くらいつづいたかな。
段々足のストッキングがうざくなってきてそこらにいた医者に「とってくださぁい・・・」と力なく
頼む。気管内挿管されていたので喉が異常に痛くて声も出にくいが懇願する。
医者「自分で動いたほうがいい?」
私「(声にならない)うんうん!」
ずっと上だけをみているので足元に誰かの気配を感じてもはっきりわからない。看護師さんだと
思ったらICUの先生だった、なんてことも。天井は真っ白のはずなのに何故かピンクや
青やグリーンに染まり模様が流れていく、挙句絵まで浮かんでくる始末。
頭おかしくなっちゃった?脳の手術のせいなのか熱のせいなのか幻覚なのか?新たな才能の開花? やっぱり一晩中一睡もできなかった。
頭を少しでも動かすとぐじゃぐじゃと音がするし、ドクドク脳が拍動しているのを感じる。
熱は40度まで出たらしい。
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