詩をめぐる旅より

著者…伊藤信吉

＜野麦街道＞詩…田中冬二

日ざかりを

白い障子にをたてつめ

みんな野良や山へでた大きな家

艾（もぐさ）にするよもぎを軒にさげた家

筧の水があふれ　綺麗な虹をつくり

いんげん豆の花に黄蜂が三つ四つ飛んでいる

麻畑の中　子馬といる雪袴の娘よ

野麦街道は山で啄木鳥の

あの橡量りの聞こえる静けさだ。

■　啄木鳥の橡量り　■

山で啄木鳥が樹木の空洞に

啄をあててたてる音響は

丁度桝で橡（とち）の実を量るようで

飛騨あたりでは

啄木鳥の橡量りと云われているそうな。

＠＠＠・・・・

この詩に、旅の何があるのだろう…

街道沿いの風景は穏やかで

何の変わった点景もないように思う。

野麦街道は信州松本から、

飛騨の高山に通じる飛騨山脈（北アルプス）

横断道路で、岐阜側に入って間もなく

野麦峠（１６７２メートル）がある。

以前は物資輸送に大きな役割を果たしていたが、

今は上高地入り口の中の湯を経て、

国境いの安房峠を越えてゆく国道１５８号線が通じ、

街道としての役割は殆ど失われた。

夏の夕暮れに

その古い街道を巡りながら

私はおのずから

夏旅の寂しさを感じた。

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Last updated 2009.02.11 03:35:04
コメント(2) | コメントを書く

■コメント

Re:啄木鳥の橡量り(02/10)

トンカツ1188 さん

Re[1]:啄木鳥の橡量り(02/10)

まんまんでーさん

トンカツ1188さん，、こんばんは。

＞使用しなくなった道　活用される事もなく
＞
＞樹木が覆いかぶさり　探検意識
＞
＞何となく　懐かしさ　征服感を　体感しますね
＞
＞そんな道　独りで　歩いてみたいです　

この本に影響されて行ったところも数多くあり、
私の旅の想い出とも重なる本で古いものですが未だに手放せなくて時々読んでは、当時色んな所へ行ったことを懐かしんだりしています。

利用されなくなった山道を歩くのもまた一味違った感じがすると思います。お帰りなさい！(^^)/

(2009.02.11 21:36:26)

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