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「カラマーゾフの兄弟」を読み終えた。
光文社古典新訳文庫版。
「いま、息をしている言葉で、もういちど古典を」と、銘打っているだけあって
読みやすかった。各巻に解説があるのもよかった。
「カラマーゾフ」は、読んで無条件に楽しいという小説ではなく、
ある程度の導きがあると、やっぱり理解しやすい。
その解説にも書いてあるように、本来「カラマーゾフ」には、続編があった。
ドストエフスキーが亡くなったため、続きは永久に読めないが。
「カラマーゾフ」を読んでのちょっとした不満は、主人公である三男アリョーシャの
魅力が、充分に伝わってこないところ。個人的に。
第三部で、
「彼は、地面に倒れたときはひよわな青年だったが、立ち上がったときには、
もう生涯かわらない、確固とした戦士に生まれ変わっていた。」
という文章があり、ここを読んだ時、アリョーシャの今後に非常に期待した。
でも、小説の主役は最後までアリョーシャではなく、長男のドミートリー、
次男のイワンであったのではないかと思われる。
ドストエフスキーは、どのような成長したアリョーシャを描いてくれたのか。
続編が、読めないのはつくづく残念。
なんだかんだ書いたが、たまにはドストエフスキーのような重い小説も良い。
次は、「未成年」に挑もうと思っている。
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