Leisurely jet turbine _

第79話~第81話



パパイアアイランドのレースで入賞を果たしたスタストらは、パパイアアイランドを出発してホワイトマウンテンへと戻ってきた。
ちなみに、どのようにしてホワイトマウンテンへ戻ってこれたかについては、かくかくしかじかあれやらこれやら~、といった感じである。
スタスト「いや、何の説明にもなってないぞ・・・。」
さて、ホワイトマウンテンは相変わらずとても寒く、ポカポカした気候のパパイアアイランドとは正反対だ。
すぐにレースといきたいところだが、まずは海底神殿のお化けの正体について住民に報告する。
ただ黒いバスが遊泳を楽しんでいただけだったと知った住民は拍子抜けといった様子だ。
海底神殿を確認した後にパパイアアイランドにも行ったことを話してみると、そんなに知られてないのかと思いきや、パパイアアイランドのことを知っている者もそれなりにいた。
知っていたなら入賞数が足りなくて困っていたときに察して教えてほしかったものだが・・・。
ただパパイアアイランドを知らなかった者も少なからずおり、パパイアアイランドの景観について、パプの木などがある自然あふれる島だと話したところ、とても驚かれたりもした。
エミリ「それならパプの花も生えているの?」
スタスト「え、多分そう・・・かな?」
エミリ「実は今パプの花がとても欲しいんだけど、でも持っていたりしないよね。」
スタスト「そうですな。」
荷物の中に花なんて入れた覚えは全く無いので、当然、持ち合わせているわけがない。
シルベスタ「おいおいwパプの木の話を聞いた後に、パプの花を持って行っていいと言われて取っといてただろ。」
スタスト「え?あれ?」
半信半疑ながらに荷物を確認してみたところ、荷物の中から本当にパプの花が現れた。
スタスト「うーん、おかしいなぁ。」
シルベスタ「まったく、相変わらずだな。」
エミリ「わぁ、それなら代わりにこの花の種をあげるよ。」
ということで、荷物にはパプの花の代わりに花の種が加わった。
もしいつか花の種を求める者が現れたときのため、今度はしっかり覚えておくとしよう。
といっても、何度かたまたま持ち合わせているを求める者が現れたことがあったとはいえ、これは普通に考えればかなりの低確率の偶然である。
したがって、覚えておくつもりはあるが、まあもしまた忘れてしまっても今度は別に支障は無いだろう。
シルベスタ「え、なんだよ、それは結局覚えておく気なんて無いじゃんか・・・。また代わりに俺が覚えておくか・・・・。」
さらに、前に訪れたときには留守だった民家に一台のチョロQが。
ビッグフットジョー「・・う、うわ!?なんだ貴様は!?」
スタスト「あ、どうも・・・。」
ビッグフットジョー「まったく、いきなり現れるからびっくりするだろ!!」
シルベスタ「でもちょっと驚きすぎなんじゃないか?」
ビッグフットジョー「うん・・・?だが、俺は日頃から熊と壮絶な戦いをしているビッグフットジョー様だぞ。俺に歯向かうってのか?」
シルベスタ「お、おう・・そうか・・・。」
熊と戦っていると言われても、それで威張られても困るばかりであるし、そもそもその話の信憑性も怪しいところだ。
スタスト「まあでも、日頃から熊と壮絶な戦いをしているくらいなら、別に海底神殿のお化けなんて怖くないだろうし、お化けの正体なんて興味無さそうだね。引き返すとするか。」
ビッグフットジョー「え、ええ?」
スタスト「?」
ビッグフットジョー「おい待てや、俺にお化けの正体を明かさず帰ろうとするとは、無礼極まりないぞ。」
スタスト「別に無礼では無いと思うけど・・・?」
シルベスタ「お化けを怖がりそうになけりゃ明かす意味もないだろうしな。」
ビッグフットジョー「もちろん怖くはねぇぞ。だからといって正体を教えないとは俺をなめてるのか?・・・お化けはほんとに怖くないんだからな。」
スタスト「はぁ。」
シルベスタ「うーん、今のところ、読者の方にはただの小心者に見られてると思うなぁ。」
ビッグフットジョー「なんだと?・・・よし、俺がそんな奴じゃないと証明してやる。このキラキラ白熊セットをくれてやろう。どうだ、太っ腹だろう。」
スタスト「・・・はて?」
シルベスタ「いや、今証明したいのって太っ腹かどうかというより、威厳があるかどうかとかそういうところじゃないのか・・・?」
スタスト「あとさ、このキラキラ白熊セットも、確かに熊関連ではあるけど熊と壮絶な戦いをしている武闘派が持ってそうな物とは違うよね。」
カーサ「そうだよね~~。」
ビッグフットジョー「ぐ、ぐぬぬぬぬ・・・。」
スタスト「じゃあ一応お化けの正体教えるよ。ただ真っ黒のバスが走り回ってただけの見間違いだったんだよ。」
ビッグフットジョー「な、なんだって!?それなら無駄に怯えて損したぜ~。」
スタスト「・・・・。」
シルベスタ「・・・・・・・。」
カーサ「・・・ZZZ。」
ビッグフットジョー「む!?何を言っているんだ。もちろん怯えていたわけないだろう。」
スタスト「・・・それじゃ、引き返すとしよう。」
こうして、実のところは小心者だったと思われるビッグフットジョーの家を後にする。
ビッグフットジョー「くそ~~今に見てろよ、このままじゃ終わらんからな。」
ここで、氷の池のところにあるカーリング場が目に入る。
前に発見したときにいつかやろうと思っていたし、パーツも強化されてきたここらで挑戦してみるのもいいかもしれない。
受付「つるつるカーリング、やりませんか~?チョロQ自身を滑らせるカーリングです。助走をつけて走っていって、引いてあるラインを超えたらアクセル操作は無しでブレーキを踏みっぱなし。滑った先に通常のカーリング同様の円が描かれていますから、円の内部で止まれれば中心に近いほど得点になりますよ~。これを3回行ってその合計点を競います。」
スタスト「やる!」
シルベスタ「よし、やってみるとするか。」
カーサ「よ~し。」
つるつるカーリングに挑戦、さてどうなるであろうか。


第80話

つるつるカーリングに挑戦するスタストら一行。
ちょうどその場に集まってきたチョロQらも含めた全員でポイントを競い合うことになった。
今回のミニゲームは難易度が高いため、まず始まる前に入念に予行練習を行った。
多くの者が高得点を出すコツを掴んできたところで、ゲームスタート。
そして、全員が2回挑戦を終えたところで、得点は以下のようになった。
スタスト:150点
シルベスタ:150点
カーサ:200点
ジャック:150点
カイテル:100点
ロス:130点
ブジェーミ:100点
モンド:10点
一名を除いて高得点で、ハイレベルな接戦となっている。
カーサは2回とも最高得点の100点を獲得し、単独トップだ。
さあ、これから勝者が決まる3回目となる。
まず一台目の挑戦はジャック。
現状では2位タイの150点を持っている・・・が、いつも大事なところでドジをするジャックのことだから、おそらくここで何かを起こしてくれるだろう。
ジャック「よっしゃあ、勝負の3回目だ!!ってうわあああああああ!!!」
ジャックはラインを越えてすぐのところで突然スピン。
得点となる円とは全然違う方向へ滑っていき、ジャックは0点となった。
さすがジャック、全く期待を裏切らなかった。
続いてカイテル、ロス、ブジェーミが挑戦し、それぞれ50点、30点、30点を獲得。
合計点はそれぞれ150点、160点、130点だ。
消化試合となったモンドは自己最高の20点を獲得。合計点を30点とした。
モンド「・・・・・・。」
GT-S「あれ?このまま無言のまま終わっていいのかな?」
モンド「(-_-メ)」
GT-S「ん?前にもこんなことあったような・・。」
ドガァ(以下略
さて、これで優勝争いは実質スタストとシルベスタとカーサに絞られたと言える。
次の挑戦はシルベスタ。
シルベスタ「よし、狙うべきスピードはわかってきてるから、ここは100点狙いだな。」
シルベスタはジェットタービンも使ってスピード調整。
ラインを越え、まさに絶妙なスピードで円の方へ滑っていく。
これは100点獲得か・・・と思ったとき、
バキ!!
たくさんのチョロQが挑戦を重ねたためか、突然氷に亀裂が入った。
シルベスタ「むむ!」
ちょうどシルベスタの進路に影響し、スピードや角度が狂ってしまった。
シルベスタは結果として30点に終わった。
受付「ここは天然の池を使っていますからね。こういうこともあります。」
シルベスタ「それなら氷が割れて池に落ちるなんてことも?」
受付「そういうこともありましたね。救出には苦労しました。」
・・・急にゲームの様相が悪くなってきた。
次の挑戦はスタストだが、進路に亀裂が入り込んでいる。
さすがに池に落ちたりすると厄介なので、亀裂を避けて進みたい。
しかし、それでは当然出すべきスピードが変わってきてこれまでとは勝手が違う。
これは一気に難易度が上がってしまったな・・・。
それでももちろんゲームは続行、スタストの挑戦が始まった。
ここは先ほどよりもスピードを上げていくスタスト。
ラインを越えて、上手く亀裂を避けたコースを滑っていく。
その分スピードが落ちていくが、100点には届くか・・・?
スタスト「どうだ・・・!?」
しかし残念ながら、ギリギリ100点のところまでは届かず。
スタストは50点となり挑戦を終えた。
それでも悪条件の中では頑張った方だろう。
これでスタストの合計点は200点。
暫定ではカーサに並ぶトップタイだ。
ただしカーサにはまだ一回の挑戦が残っているため、ここでカーサが少しでも点を獲ればカーサが優勝になる。
カーサ「よーし、中心でなくてもいいから円で止まればいいんだね。」
シルベスタ「だけど路面コンディションが変わってるからな。単純ではないぞ。」
カーサの挑戦がスタート。
カーサは先ほどのスタストの挑戦と同様、助走を強めにつけていく。
そしてラインを越えた後に滑るルートも同様・・・だったのだが、
ここでそのルートにも亀裂が入り始めた!
バキ!!
カーサ「うわぁぁ~~!!」
しかもその亀裂の入り方が運悪く、カーサは亀裂によってできた段差に乗り上げる。
カーサはその反動で大ジャンプしてしまうことになった。
カーサ「うわぁぁぁぁ~~~!!」
カーサは得点となる円からかけ離れた先へと着地して止まった。
当然、カーサの止まった地点には何も描かれておらず・・・ってあれ??
スタスト「おい、カーサの止まったとこに何か描かれてないか?」
シルベスタ「そんなはずないだろ・・・ってありゃ?確かに小さい四角のマークがあるぞ?」
まあ、昔に誰かがつけた何らかのマークでも残っていたのだろう。
そう思っていたところ、
受付「おめでとうございます!見事に隠しポイントに停止しましたね!」
スタスト「・・・え?」
カーサ「?????」
受付「隠しポイントに停止できたプレイヤーには10000点が入ります!」
シルベスタ「・・・・は???」
こうして、カーサは3回目の挑戦で10000点を獲得。
合計点は10200点となり、カーサがぶっちぎりの優勝を果たした。
シルベスタ「なんとむちゃくちゃな・・・。」
ジャック「くそ~、完敗だな。次はビュンビュン!ヒルで勝負しないか?」
スタスト「ビュンビュン!ヒル?」
ジャック「向こうに見えるラージヒルからジャンプした距離を競うんだ。」
続いてビュンビュン!ヒルに挑戦することになった一行。
今度は優勝を狙いたいところだ。


第81話

今度はビュンビュン!ヒルに挑戦することになったスタストら一行。
ホワイトマウンテンには、雪をかぶった大きなラージヒルがそびえたっている。
ビュンビュン!ヒルはこのラージヒルの斜面を滑り降り、最後に待ち受ける反り返ったジャンプ台を飛び出し、その飛距離を競うゲームなのだそうだ。
今回も、つるつるカーリングと同じく、その場に集まった全員が参加して競い合うことになった。
・・・が、このゲームに関してはジェットタービンを装備している方が明らかに有利である。
よって、必然的に優勝争いはスタストら3台に絞られた。
ジャック「・・・って、え!?つまり今回は俺たちの出番は無しかよ!?」
モンド「Σ(ーー)ガーン!!!!!!」
スタストら3台以外は全員挑戦を終え、いよいよ優勝争い。
スタスト「このゲームって、全力で飛び出すだけだからテクニックは関係無いよな?」
シルベスタ「そうだな。パーツの性能で勝負ってところだろうな。」
最初の挑戦はシルベスタ。
斜面の手前の助走路は、自由に使ってよいということになっている。
シルベスタは助走路の限界まで後ろへ後退。
そこからジェットタービン全開、急発進だ。
助走路から一気に飛び出し、大ジャンプした。
ジェットタービンは空中でも推進させることができる。
ジェットタービンを使い続け、ぐんぐんと前へ進んでいく。
・・・ってあれ?今飛び出したのってジャンプ台じゃなくて助走路だったような?
つまり、まだ滑走路となる斜面の上空を飛行しているという状態だ。
それでも、いつかは滑走路に着地してスピードに乗ったままジャンプ台を飛び出せるだろうと思われた。
しかし、ジェットタービンの能力はその程度では済んでいなかった。
なんと、そのまま空中を加速し続けた結果、ジャンプ台すらも通り過ぎてしまう。
シルベスタ「むむむ!」
ジャンプ台を使えなかったシルベスタは、スピードが出ていた割には記録が伸び悩み、140mに終わった。
まあそれでも、ジャンプ台を使わないという規格外なことをしたにしては飛んでいる方だが・・・。
シルベスタ「なんということだ・・・。ずっと全開で飛ばしちゃダメみたいだぞ。」
スタスト「じゃあ始めに助走はつけない方がいいってことか?」
カーサ「いや、そうじゃないと思うよ~。どうすればいいかわかってきたよ。」
スタスト「そうなのか?」
次の挑戦はカーサ。
カーサは助走路を一直線に後退するのではなく、受付の建物がある方へも曲がってどんどん下がっていく。
でもこんなに助走をつけて大丈夫なのだろうか?
カーサはジェットタービンを使って急発進。
コーナリングして助走路へ進入、さらにそのまま車体を曲げていく。
滑走路に差し掛かる地点では、ほぼ真横に近い角度を向いた。
すると、横から少しずつ斜面に差し掛かることとなった結果、なんとほとんど車体が浮き上がることなく通過。
角度をうまく軌道修正した後、ついていた勢いを活かし高速で滑り降りていく。
そのままジャンプ台を飛び出し、ジャンプ中もジェットタービンを使ってどんどん遠くまで飛んでいく。
スタスト「これは凄いぞ・・・!」
カーサはラージヒルから見えないくらいの遠くへと着地した。
記録は620mだ。
シルベスタ「素晴らしかったな。スタストも今みたいにやれば遠くに飛べるぞ。」
スタスト「えぇ、今のできる気がしないんだけど・・・?」
スタストはとりあえずカーサがスタートした建物前のスペースへ。
しかし安直に真似してもカーサを越えることはできない・・・何か無いだろうか?
スタストはさらに後退していって建物の裏へ。
すると、そこには紫色の宝石、アメジストが!!
・・・いや、何か無いかって、そういうことじゃないんだよなぁ。
それでもまあ、偶然見つけたアメジストは荷物に入れておこう。
さて、スタストはそのままよくわからない場所から助走スタート!
旋回して、受付の建物の前を通過。
シルベスタ「お、なんか変なところからスタートしてきたぞ。何をしてくれるかな。」
独特な旋回の仕方をしながら助走路へ。
スタストはその後も無暗に独特な走り方を続ける。
まるでオープニングラップでタイヤを温めているかのようだ。
そして、斜面にさしかかるところで車体を浮かせずに進入成功!
さあ、これであとは全開に飛ばしてジャンプするだけだ!
ジャンプ台を飛び出し、スタストは大ジャンプ!
・・・が、カーサに比べると少し勢いが足りない。
スタストの結果は490mに終わった。
シルベスタ「いや、助走で無駄にクネクネしてた意味はなんだったんだよ・・・。ただその分スピードダウンしただけだったじゃないか。」
スタスト「何か奇跡が起きないかと思ったんだがなぁ。」
こうして、ビュンビュン!ヒルでもまたしてもカーサが優勝に終わった。
すると、そこに老婆がやってきた。
ディジー「おや?ニックじゃないかい?」
スタスト「ニック?」
ディジー「間違いない。ニックだね。久しく見なかったけど来てたんだねぇ。」
スタスト「いえ、ニックではないですが。」
ディジー「ん?何を言っているんだい?」
スタスト「ですから人違いですよ。スタストと言います。」
ディジー「本当かい?」
シルベスタ「ええ、彼はスタストです。」
ディジー「あら・・・そうかい?とても似てるけどねぇ。それでもまあこのクリスマスツリーを受け取っておくれ。」
どうやら、まだ内心ではニックではないのかと疑っているようだ。
結局、よくわからずクリスマスツリーを受け取ることになった。
ディジー「しかし本当にニックではないのかい?どう見てもニックだと思うけどねぇ。」
すると、そこにビュンビュン!ヒルの受付の方も介入してくる。
受付「あれ、確かに言われてみればニックさんじゃないですか。」
スタスト「いえ、ですからニックではなくてスタストですよ。」
受付「あれ?そうですか。」
ディジー「それなら今頃ニックはどこにいるのかねぇ・・・。」
老婆の思い違いというわけではなく、ニックというスタストにとても似ている者が本当にいるらしい。
そんなに似ているならどこかで出会ったらすぐにわかるだろうか?
もし出会ったらここでの出来事を伝えておくことにしよう。
さて、ミニゲームも一段落したところで、ようやくレースに参加といこう。



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