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小市民伯爵
苦し紛れに書いた「タウンページ」の読書感想文。 平和すぎる世界の地球防衛軍を描いたショート劇場。 脱力必死のシュールなお絵かきがあります
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2004.06.11
テーマ： 連載小説を書いてみようｖ(10283)
カテゴリ： カテゴリ未分類
地球防衛軍仮設本部周辺：レストラン「バミューダ」前
下っ端「た、隊長！もう引き返しましょうっ」
隊長 「ちょっと待て。せっかくここまで並んだんだ。
知らないかも知れないが
ここのスープはすごいらしいぞ、イエローが言ってた」
下っ端「そのすごいスープを飲んでイエローさんは
入院してしまったわけですが」
隊長 「入院するほどうまいんだろう。
ほら、ここの記事を見てみろよ。
なんとダシは１日３０時間も煮立てているという」
下っ端「１日は２４時間ですよ！思いっきり嘘じゃないですかっ！」
隊長 「お、ようやく店の中に入れたな。１時間以上待ったのかな。
これだけ長蛇の列ができるんだからよっぽどうまいんだろう」
下っ端「あの、それなんですが、よく店内を見てください」
隊長 「どうしたんだ。な！がらがらじゃないか！」
下っ端「これは一体・・・？」
隊長 「ちょっとウェイター。これはどういうことだよ。
席が空いているなら客を入れてもいいだろうが」
店員 「誠にすいません。お客様が多すぎると、
誰が何の注文をしたとかわからなくなるものですから」
店員 「それにですね。行列が行列を呼ぶといいましょうか。
チラシを配るよりも
はるかに宣伝効果になりましてー」
隊長 「ほとんど詐欺じゃないか！いいから座らせろよ」
店員 「やー、当店と致しましてもですねー、
えー、現在満席でございます」
隊長 「どこがだっ！とにかく座るぞ。
これだけ待たせといてひどいじゃないか」
下っ端「変わった店ですね。でも意外と中はシャレていますね」
隊長 「まぁ、何だかんだいっても客が少ないせいで
落ち着けるというのもある」
下っ端「でも高そう。まぁおごってもらうから関係ありませんけど」
隊長 「まぁ、俺も経費で落とすから関係ないんだけど。
それにしても・・・値段がはっきりしないなぁ」
下っ端「どうなっているんですか？」
隊長 「火薬ご飯…４００円」
下っ端「勘違いしたまま大人になっちゃった！？」
隊長 「うっかりシェフのピラフ…１２８０円」
下っ端「しっかりしてっ！シェフさん！」
隊長 「若鶏夫婦のからあげ・・・４８０円」
下っ端「夫婦はよけいだー！食べにくいっ！」
隊長 「お魚天国のあつあつスープ・・・５８０円」
下っ端「天国の意味がちがーうっ！」
隊長 「サラダ？・・・４８０円？」
下っ端「知りませんよ！自信を持てよ！」
隊長 「シェフの若かりし頃の過ち・・・４８００円」
下っ端「若かりし頃何したんですかっ！しかもなんだか高い！」
隊長 「わけがわからんなぁ」
下っ端「わけわかりませんね」
隊長 「まぁ得てしてレストランの品名というのは
わけがわからないものだ。
森の妖精と魔法のキノコなんて、何だか怪しげだし
どっかのレストランには「うきうきスプリング私をつかまえて」
というのがあった。真顔で注文できないよな」
下っ端「とりあえず変なのが来ても困りますから、
シェフのお奨めコースを
選びましょう、スープもついてますし」
隊長 「値段が時価なのが気になるが・・・まぁ、いいか。
ウェイターさん、シェフのお奨め２つ頼むよ」
店員 「かしこまりました。うふ、シェフのお奨めですね、うふふ。
お飲み物は何にいたしますか、うふ」
隊長 「水でいいけど、何にやにや笑ってるんだよ！」
店員 「すいません、うふ。もうしばらくお待ちください、えへへ」
隊長 「何なんだ・・笑いながら行っちゃったが」
隊長 「た、隊長！このメニューよく見てください。
シェフのお奨めコースの
最初にスマイルって書いてあります」
隊長 「サービスか！？すこぶる不快だったが・・・」
下っ端「お、いきなり来ました、
さすが空いてるだけあってはやいですねー」
店員 「こちら、食前酒でございます」
隊長 「へぇ、しゃれてるねぇ。だけどなんでまた甘酒かなぁ・・・」
店員 「お言葉ですが、甘いから甘酒ではないでしょうか？」
隊長 「そんなこと聞いてないよ！これ、アルコールないじゃないか」
店員 「でもお客様、甘酒には麹の働きで生成したビタミンや
必須アミノ酸が多く含まれ、
夏バテ防止の栄養補給にはもってこいで、
さらに血圧上昇を抑制する作用、肥満を防止する効果、
健忘症の予防・改善効果があるんです」
下っ端「へぇ～、なるほど。だから食前酒に甘酒なのかぁ」
隊長 「なんか論点すりかえられたような・・・まぁいいや」
下っ端「うーむ。舌がざらざらしてかえって喉が渇きますね・・・」
隊長 「あ、また店員が来た。常識破りのはやさで来るな」
店員 「こちら前菜のムール貝のブルゴーニュ風になります」
隊長 「おぉ、これはおいしそうだな。やっとまともなものがきた」
下っ端「それにしてもやけにぴかぴかした容器に入れてきましたねぇ」
隊長 「清潔がモットーなんだろう。・・・しかし洗剤臭いな」
下っ端「良く見たらまだ洗剤が容器についてますね・・・」
隊長 「あぁ…なんか味も石鹸臭い。なんかブルーになってくるな」
下っ端「あ、もうウェイターが来ました。はやい！」
店員 「こちら当店自慢のバミューダスープになります」
隊長 「ちょっと待った！
君、思いっきり親指がスープにはいってるよっ！」
店員 「あ、心配に及びません。このスープそんなに熱くないですから」
隊長 「そんな問題じゃないわー！」
下っ端「た、隊長。落ち着いてください」
店員 「では、ごゆっくりお楽しみください」
隊長 「それなら矢継ぎ早に持ってくるなよ・・・
って、あぁ、行っちゃった」
下っ端「それにしてもこのスープ、具がありませんねぇ」
隊長 「ぐつぐつ煮込みすぎて具が全部溶けたんだな。
これが自慢だって言われてもナァ。ほとんどヘドロ」
下っ端「あ、もう次が来た。加速してますよ、明らかに！」
店員 「こちらメインのたぶん国産牛のサイコロステーキです」
隊長 「たぶん！？」
下っ端「あ、隊長の肉１切れしか入ってない」
隊長 「本当だ、これは不公平すぎるだろ。嫌がらせとしか」
店員 「これはすいません。今すぐお持ちいたします」
隊長 「持ってくるときに気がつきそうなもんだけどなぁ」
店員 「お待たせしました」
下っ端「って、なんで包丁をもってくるんですか！？」
店員 「少々お待ちください、今から切って２切れにしますから」
隊長 「それに何の意味があるんだよ！量が少ないんだから」
店員 「それではごゆっくり」
隊長 「無視しやがったっ！」
下っ端「うーん・・・それにしても喉が渇くものばかり。
水がまだ来てない」
隊長 「そういえば、水が・・・！ウェイター水」
店員 「は、はい。お持ちいたしました」
隊長 「おい！水を手ですくって持ってくる奴がいるか！コップを」
店員 「あー、少々お待ちください」
下っ端「なんだか忙しいですね」
店員 「はい、お持ちしました」
隊長 「って、あほー！空のコップを持ってきてどうするんだよ！」
店員 「あー、すいません。私はどうすれば？」
隊長 「あーもう、代われー。俺がウェイターをやる」
下っ端「んな無茶な！」
店員 「はい、制服」
下っ端「って、交代してるし！あー隊長・・・」
やくざ「おい、ウェイター、なんでがらがらなのに入れないんだよ」
隊長 「え、俺？」
やくざ「お前以外にどこにいるんだよ」
隊長 「いろいろ事情が・・・あ、ぼ、暴力はいけません」
やくざ「何時間待ったと思っているんだ、このやろー」
隊長 「ちが、俺は見本を見せるために店員をやってるだけで…
ぎゃー！」
地球を滅ぼしに宇宙から来たけどなかなか言い出せず
気付いたらウェイターになってた
地球防衛軍の隊長が僕の身代わりになってくれた。いい人だ
下っ端「た、隊長！もう引き返しましょうっ」
隊長 「ちょっと待て。せっかくここまで並んだんだ。
知らないかも知れないが
ここのスープはすごいらしいぞ、イエローが言ってた」
下っ端「そのすごいスープを飲んでイエローさんは
入院してしまったわけですが」
隊長 「入院するほどうまいんだろう。
ほら、ここの記事を見てみろよ。
なんとダシは１日３０時間も煮立てているという」
下っ端「１日は２４時間ですよ！思いっきり嘘じゃないですかっ！」
隊長 「お、ようやく店の中に入れたな。１時間以上待ったのかな。
これだけ長蛇の列ができるんだからよっぽどうまいんだろう」
下っ端「あの、それなんですが、よく店内を見てください」
隊長 「どうしたんだ。な！がらがらじゃないか！」
下っ端「これは一体・・・？」
隊長 「ちょっとウェイター。これはどういうことだよ。
席が空いているなら客を入れてもいいだろうが」
店員 「誠にすいません。お客様が多すぎると、
誰が何の注文をしたとかわからなくなるものですから」
店員 「それにですね。行列が行列を呼ぶといいましょうか。
チラシを配るよりも
はるかに宣伝効果になりましてー」
隊長 「ほとんど詐欺じゃないか！いいから座らせろよ」
店員 「やー、当店と致しましてもですねー、
えー、現在満席でございます」
隊長 「どこがだっ！とにかく座るぞ。
これだけ待たせといてひどいじゃないか」
下っ端「変わった店ですね。でも意外と中はシャレていますね」
隊長 「まぁ、何だかんだいっても客が少ないせいで
落ち着けるというのもある」
下っ端「でも高そう。まぁおごってもらうから関係ありませんけど」
隊長 「まぁ、俺も経費で落とすから関係ないんだけど。
それにしても・・・値段がはっきりしないなぁ」
下っ端「どうなっているんですか？」
隊長 「火薬ご飯…４００円」
下っ端「勘違いしたまま大人になっちゃった！？」
隊長 「うっかりシェフのピラフ…１２８０円」
下っ端「しっかりしてっ！シェフさん！」
隊長 「若鶏夫婦のからあげ・・・４８０円」
下っ端「夫婦はよけいだー！食べにくいっ！」
隊長 「お魚天国のあつあつスープ・・・５８０円」
下っ端「天国の意味がちがーうっ！」
隊長 「サラダ？・・・４８０円？」
下っ端「知りませんよ！自信を持てよ！」
隊長 「シェフの若かりし頃の過ち・・・４８００円」
下っ端「若かりし頃何したんですかっ！しかもなんだか高い！」
隊長 「わけがわからんなぁ」
下っ端「わけわかりませんね」
隊長 「まぁ得てしてレストランの品名というのは
わけがわからないものだ。
森の妖精と魔法のキノコなんて、何だか怪しげだし
どっかのレストランには「うきうきスプリング私をつかまえて」
というのがあった。真顔で注文できないよな」
下っ端「とりあえず変なのが来ても困りますから、
シェフのお奨めコースを
選びましょう、スープもついてますし」
隊長 「値段が時価なのが気になるが・・・まぁ、いいか。
ウェイターさん、シェフのお奨め２つ頼むよ」
店員 「かしこまりました。うふ、シェフのお奨めですね、うふふ。
お飲み物は何にいたしますか、うふ」
隊長 「水でいいけど、何にやにや笑ってるんだよ！」
店員 「すいません、うふ。もうしばらくお待ちください、えへへ」
隊長 「何なんだ・・笑いながら行っちゃったが」
隊長 「た、隊長！このメニューよく見てください。
シェフのお奨めコースの
最初にスマイルって書いてあります」
隊長 「サービスか！？すこぶる不快だったが・・・」
下っ端「お、いきなり来ました、
さすが空いてるだけあってはやいですねー」
店員 「こちら、食前酒でございます」
隊長 「へぇ、しゃれてるねぇ。だけどなんでまた甘酒かなぁ・・・」
店員 「お言葉ですが、甘いから甘酒ではないでしょうか？」
隊長 「そんなこと聞いてないよ！これ、アルコールないじゃないか」
店員 「でもお客様、甘酒には麹の働きで生成したビタミンや
必須アミノ酸が多く含まれ、
夏バテ防止の栄養補給にはもってこいで、
さらに血圧上昇を抑制する作用、肥満を防止する効果、
健忘症の予防・改善効果があるんです」
下っ端「へぇ～、なるほど。だから食前酒に甘酒なのかぁ」
隊長 「なんか論点すりかえられたような・・・まぁいいや」
下っ端「うーむ。舌がざらざらしてかえって喉が渇きますね・・・」
隊長 「あ、また店員が来た。常識破りのはやさで来るな」
店員 「こちら前菜のムール貝のブルゴーニュ風になります」
隊長 「おぉ、これはおいしそうだな。やっとまともなものがきた」
下っ端「それにしてもやけにぴかぴかした容器に入れてきましたねぇ」
隊長 「清潔がモットーなんだろう。・・・しかし洗剤臭いな」
下っ端「良く見たらまだ洗剤が容器についてますね・・・」
隊長 「あぁ…なんか味も石鹸臭い。なんかブルーになってくるな」
下っ端「あ、もうウェイターが来ました。はやい！」
店員 「こちら当店自慢のバミューダスープになります」
隊長 「ちょっと待った！
君、思いっきり親指がスープにはいってるよっ！」
店員 「あ、心配に及びません。このスープそんなに熱くないですから」
隊長 「そんな問題じゃないわー！」
下っ端「た、隊長。落ち着いてください」
店員 「では、ごゆっくりお楽しみください」
隊長 「それなら矢継ぎ早に持ってくるなよ・・・
って、あぁ、行っちゃった」
下っ端「それにしてもこのスープ、具がありませんねぇ」
隊長 「ぐつぐつ煮込みすぎて具が全部溶けたんだな。
これが自慢だって言われてもナァ。ほとんどヘドロ」
下っ端「あ、もう次が来た。加速してますよ、明らかに！」
店員 「こちらメインのたぶん国産牛のサイコロステーキです」
隊長 「たぶん！？」
下っ端「あ、隊長の肉１切れしか入ってない」
隊長 「本当だ、これは不公平すぎるだろ。嫌がらせとしか」
店員 「これはすいません。今すぐお持ちいたします」
隊長 「持ってくるときに気がつきそうなもんだけどなぁ」
店員 「お待たせしました」
下っ端「って、なんで包丁をもってくるんですか！？」
店員 「少々お待ちください、今から切って２切れにしますから」
隊長 「それに何の意味があるんだよ！量が少ないんだから」
店員 「それではごゆっくり」
隊長 「無視しやがったっ！」
下っ端「うーん・・・それにしても喉が渇くものばかり。
水がまだ来てない」
隊長 「そういえば、水が・・・！ウェイター水」
店員 「は、はい。お持ちいたしました」
隊長 「おい！水を手ですくって持ってくる奴がいるか！コップを」
店員 「あー、少々お待ちください」
下っ端「なんだか忙しいですね」
店員 「はい、お持ちしました」
隊長 「って、あほー！空のコップを持ってきてどうするんだよ！」
店員 「あー、すいません。私はどうすれば？」
隊長 「あーもう、代われー。俺がウェイターをやる」
下っ端「んな無茶な！」
店員 「はい、制服」
下っ端「って、交代してるし！あー隊長・・・」
やくざ「おい、ウェイター、なんでがらがらなのに入れないんだよ」
隊長 「え、俺？」
やくざ「お前以外にどこにいるんだよ」
隊長 「いろいろ事情が・・・あ、ぼ、暴力はいけません」
やくざ「何時間待ったと思っているんだ、このやろー」
隊長 「ちが、俺は見本を見せるために店員をやってるだけで…
ぎゃー！」
地球を滅ぼしに宇宙から来たけどなかなか言い出せず
気付いたらウェイターになってた
地球防衛軍の隊長が僕の身代わりになってくれた。いい人だ
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