くんちゃんの・・・

くんちゃんの・・・

家族

家族


 手術当時、三人の子供達は上から小3、小2、幼稚園年中と、それぞれにまだ母親が恋しい時期だった。病気とは言え、これまで片時も母親と離れた生活をしたことのないこの子らにとって1ヶ月近くも別々の生活をするなんて子供達にとってもかなりの精神的負担だったに違いない。

 時々、病室を見舞ってくれる子供達は元気そのもので淋しさなんかみじんも感じさせないものだったけど…。帰りの車の中では特に末息子はいつも泣いていたのだと言う事実…夫が「今昼寝中」だとか「おばあちゃんちでお留守番」だとか理由を付けては子供を病院から遠ざけるようになったのはそんなわけがあったのだったのだ…。そんな体験がトラウマになって未だにR2(通院に走った国道)を旅行なんかでドライブするときでさえ気分が滅入るんだと…最近になって長女からはじめて聞かされた。
『かあさんが辛い思いするから、母さんの前では明るく振る舞うこと』
を子供達の中で決めていたんだとか…、そんなけなげさに…泣けた。

 苦しかったのは、辛かったのは、寂しかったのは…決してわたし一人じゃなかったんだ。自分のことで精一杯で、それに気付いてやるのが遅くなってずいぶんと可哀想なことしたなぁ。私はいつもこの家族に支えられて生きてこれたのだなぁ…と。


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