くんちゃんの・・・

くんちゃんの・・・

なくしたピアス・・・

なくしたピアス・・・


男性にとっても女性にとっても
あなたにとっておっぱいって何ですか??

最近あえて乳癌の話題は口にしなくなった私ですが
喪失した乳房にこだわりが無くなったからではありません。
むしろ、日に日に愛おしくなってせつなくなってくるのです。
口にすると泣いてしまいそうなので、あえて話題にしません。
再建の希望も正直無いわけではないのですが
今ひとつ踏み切れずにいるのは、勇気がないんです私、意気地なし…。

先日、ふたりきりでドライブしているときに
何となしに乳癌の話題になって、ふと夫が言いました。
「女の人にとっておっぱいがそんなに大切なものだとは
こういう経験するまで、知らなかったな。
でも、男にとっておっぱいの片方があろうが無かろうが
本当に相手のこと愛していたら、そんなことは全く関係ない。
要は愛情・中身の問題じゃないのかなぁ…。」
確かにその通りでしょう、
それは夫にとって嘘偽りのない言葉なのだと思いました。
そして私を気遣った言葉と言うことも充分伝わってきました。
だって、手術する前もした後も変わらず…いえ以前以上に
私は夫に大切にされているし、愛されているんだと思うから…。
「うん、そうだね」
口ではそう答えながら…
でも、
そこには自分に嘘をついている私がいました。
術後6年を生きてきて
何でもなさげに、平気を装っていける技術を身につけたけれど
ごめんなさい
本当は、違うの…。

私にとって‘失ったおっぱい’は‘なくしたピアス’です。
片方がなくては意味がないの…。両方揃ってピアスだもん…。
たとえよく似た新しいものを買ってきても
それはやはり代替え、よく似た別のピアスでしかない。
だから、私は多分一生
なくなった片っぽのピアスを探し求め続けていく…。

人生折り返しの年代にさしかかった今
改めて‘自分探しの途上にある私’を意識する今日この頃です。
多分…
女性として生きていく残りの人生
ずっと、きっと、
なくした片っぽのピアスを探し続けていくんだろうな…。

(平成15年9月)


back usa-home



つづく・・・この後の私は工事中随時更新します!




© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: