和草子 暮らしの歳時記

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つくも神


つくも神 [ 言の葉 ]
もったいない その3

お化け、妖怪の類はなんとなく好き。その中で特に興味があるのがつくも神
(伊勢物語の九十九髪ではない。こちらは年増の女性の恋というちょっと年齢によって解釈の変わる話でこれもおもしろいが)


一般的に百年たった道具は鬼になるといわれ、その一つ手前、九十九年の時点で捨てられるとつくも神になるという
付喪神と表記されたり、九十九と表記される。

初めて接した話は「忍たま乱太郎」という子供向けの絵本だった。
(そこでは、捨てられて使われなくなって100年たつとつくも神に変わると言う設定だった。)

調べてみると結構古くから知られていろいろと採り上げられてきたポピュラーなお化けのようである。
特に

室町時代の工業生産能力が飛躍的に発展し
「煤払いのさい、古道具たちが、無造作に路傍に放り出されるということは、彼らにとって代る新しい道具類のどんどん生産されていたことのあらわれであって、室町時代における生産力の画期的な発展があった」
現代ほどではなくとも消費社会になっていったそうである。

この時代に多くつくも神の話がかたられだしたようだ。

 「もったいない」を忘れた心への警鐘?

捨てられる、大事にされない、まだ使えるもの達の仕返し。

燃やせないものばかりを作り続けた近代のつくも神の数は
考えるだけで恐ろしい。

物を必要なだけもち、大切に使う。

百均も好きな私だが、つくも神にたたられぬよう、気をつけよう。


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