ろくでなしとの戦い・by・こいちろ

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ワーファリンに納豆が厳禁な理由



 血液には、血液を固まらせる仕組み(凝固系)と、血液を溶かす仕組み(線溶系)が備わっています。

 怪我をしても自然に血が止まるのは凝固系の作用です。凝固系は、止血だけでなく、血管内皮細胞の保護や血管の修復など血管を正常に保つ機能も持っています。血液が固まる仕組みは複雑です。13の凝固因子が次から次に連鎖的に反応を起こし(血液凝固カスケード)、最終的にフィブリンという物質を作り出すことにで、血液が固まるのです。

 その反面、生体では凝固系とともに、凝固した血液を溶かす線溶系が作用しています。体の中ではプラスミンという物質が作られ、血液が凝固しないよう監視しています。

 これら凝固系と線溶系のバランスが崩れると、止血能の低下が出現したり、凝固し難くなって止血に支障が出たり、凝固しやすくなって血栓ができやすくなるのです。両者の健康的なバランス(絶妙なバランス)が取れていることが重要です。

 一般に「血液はサラサラがいい」と言われておりますが、この意味は、決して線溶系優位が良いというわけではなく、あくまでも凝固系と線溶系のバランスが重要なのです。

 世の中には、血液をサラサラにする薬が存在します。この薬は、凝固系に作用する薬と、線溶系に作用する薬に大別されますが、凝固系に作用する薬の代表が「ワーファリン」です。ワーファリンは、凝固系という生体本来の機能をストップさせ、凝固系と線溶系とのバランスを崩し、線溶系に対して優位に働く薬なのです。


(続きまぁ~す。。。)


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