ドッグウォーカーの日記

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2006.03.11

１０歳の少年

(12)

カテゴリ：アイランド生活

クラスメイトのべトナミーの女の子（アイちゃん）の話が

アイちゃんファミリーはハワイで有名なベトナム料理店を３軒経営している。
行列のできるお店でもちろん私も知っていた。
アイちゃんは
「今でこそ生活は楽になったけれど来た当初は本当に大変だった」と言っている。

アイちゃんの叔父の一人は成功したファミリーにおんぶに抱っこで、
任された仕事はやるが自ら進んで何かを始めることはなく

ギャンブル大好きで、

お金を多額につぎ込み、
今ではかなりの借金をこしらえてファミリーからも
はじき出されている状態らしい。

そんな叔父には１０歳になる息子がいるそうで、
前妻はロシア人のドラッグディーラーでただ今服役中。

もう３度目の逮捕らしく今回はかなりの期間の服役らしい。
その為前妻が引き取っていた少年がアイちゃんの叔父の所に来たそうだ。

アイちゃんいわくこの少年ロシアとベトナムの血を引き
物凄くエキゾチックな風貌で、
少年ながらにジェニファー・ロペスにそっくりらしい。
（ちょっと見てみたい私、、）

この少年をアイちゃんの家に置いたきり
暫く行方が分からないときたもんだ、

そして、

この少年、アイちゃん家の人々から
総額１８００ドルほどの盗みを働いたらしい。

この少年。
日本円で２０万くらい？

そして問い詰められた際にも動じることなく
「もう使っちゃった！」と言い切り、
好きな女の子（これも同学年！！）に３００ドルも渡していたらしい。

お金を皆が寝静まっている夜中に
カバンや財布をあさり、
家族が何気なく小銭をいれていたピギーバンク（豚ちゃんの貯金箱）も
見事にカラだったらしい。
８時までに登校すればいい小学校に朝６時前から行き、
セブンイレブンやら、ゲームコーナーやらでお金を使い。
悪友共にお金も与えていたらしい。

結局派手な行動は学校に直ぐにバレ、
その日のポケットの中には８００ドル入っていたと、、、。
お金をあげていた悪友からも
「勝手にくれたから貰った」と言われたらしい。

そして少年全然動じずに、

「盗む時は１ドル札は狙うな！とマミーに言われてる」 と
堂々と言い放ち、
シュンとする様子や涙なんて全くないとの事、

それでもやっぱり行く所はアイちゃんの家しかなく、
アイちゃんの家に戻っても心は閉ざされたまま。

母は刑務所、
父はギャンブル＆借金で行方もわからず、
アイちゃん家族からは呆れられて、
兄弟もなく、、、、。

この少年どうなるんだろう？

気持ちが重いよね、こういう話を聞くと。

こののんびりした真っ青なハワイの空の下で
きっと少年の心はいつも乾いていて、
どんよりと曇ったままなんだと思う。

大人の私でもこの少年の立場はしんどいと思う、
大変だよね甘えられる人はなく
産んでくれた母はジャンキーで、
父は居て居ないようなもの、

親ってなんだよ？愛情ってなんだよ？
大人ってなんだよ？
って思って当たり前だよね。

少年若干１０歳、

この先の人生の為にも強くなってほしい。

こんな事しか思えない私、
どうしようもない気持ち、
アメリカの、
人間の、
大人の、

重く病んだ皺寄せの行き先はやっぱり子供なんだなって。

どうすればいいんだろうね。
無力な自分だと言う現実だけは本当の事。

重いなー、こういう気持ちって。
やるせないよ。

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