『 子どもへのまなざし(続)
』
(佐々木正美、福音館書店、2001、1800円)
付箋を貼ったところを具体的に読み返していく連載記事の
第11回
。
今回から、大きな章の第4章、「 障害を持つ子ども 」に入ります。
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『 子どもへのまなざし(続)
』読書メモ11 (p233~362)
( #の後の緑字
は僕のコメントです。)
・障害を持つ子どもの 連続性
知能の発達を考えた場合、連続性があることは事実。(p296)
#以前、「大人のADHDの会」の方に、聞いたことがあります。
つまり、どこからが障害でどこからが正常とか、たとえばそんなふうに
分けられるものではないということ。
また、いわゆる「ふつうの人」も、多かれ少なかれ、
ADHDの傾向や、自閉的傾向についても、持っているということです。
これは、非常に大事な思想だと思います。
「障害のある人」を指して、
「自分とはまったく別の人」みたいな捉え方は、危険だと思っています。
・視力の場合もそう。
視力がどれぐらいになったら、眼鏡をかけるかというようなことは、
決まっていない。
・高血圧、正常血圧、低血圧といった場合も。
・ いろいろなタイプの子どもたちがいる 、ということ。
・注意欠陥多動性障害や学習障害の子どもたちは、
不幸なことに、 その子がそのままでいることに、
なかなか承認が得られない
。(p311)
知的障害があるわけではありませんから、
親やまわりの人からは、現状を承認してもらえないことが多い。
・親やまわりの人から
「問題」のない子にしたいという、無理な力
が加えられる
→ ・子どもたちは衝動性を、ますます大きくしてしまう。
・自分をコントロールできにくくなってしまう
・ 自分を粗末にする生き方 をしてしまう
#最後の「自分を粗末にする」という言葉が、一番グサッときました。
いかんやろう、これが一番いかんやろう。
せっかく生まれてきて、
自分を粗末にする生き方しかできへん、
また そんなところに追い込まれてしまう、
そんなの ぜったいに いかんやろう、
と思います。(おっと 感情的になって関西弁になってしもうた~!)
・
『自閉症連続体』を書いたローナ・ウィング
「 自閉症の子は 時間と空間のなかに、
自分を位置づけられない
」(p323)
わかりにくいようでいて 非常にわかりいい表現
#「自閉症連続体」は、「自閉症スペクトラム」と
呼ばれることが多いですね。
「だいちゃんのホームページ」に大変素晴らしい解説を見つけました。
詳しくは、こちらをお読みください。
▼ 自閉症スペクトラムとは (「だいちゃんのホームページ」内)
・
『自閉症連続体』あとがき
「この人たちからは、私たちの世界に近づいてくることはできないんです。
だから、私たちが相手に近づいていくしかない。
そして無理のないやり方で、だんだんこちらの世界に誘導してあげる」
・ 目に見えるようにして 教えること(p350)
・自閉症と注意欠陥多動性障害や学習障害の子どもたちは、
目で確認できる現象を理解する、記憶しておく、
あるいは理解はしていないけれど、記憶するという力は強い。
・何か教える場合でも、 1つずつ
目にみえるようにして、
ものを教えてあげると、よくできる。
・この子たちに因果関係とか、理由というものを、
説明したり 理解させることも困難。
→○どんなことを教えるときにも、
「このことに集中するんですよ」
「今は、ここをみるんです」
「あれをするんですよ」
というように、できるだけ、1つのことに焦点が当たるように、
「今 ここをみて、これをすればいいんです」
ということを、教えていくような指導のしかたがいい。
#このあたり、特別支援教育にかかわりの深い先生は、
指導の基本みたいなことで、わりとよく知っておられると思います。
でも、あらためて、子どもへの言葉かけの形で読むと、
「あっ、自分はこういう意識で、子どもに対していたかな」と
反省させられます。
・しかも、その教え方や指示のしかたは、
目でみれば指示や状況が、確認できるというやり方がうまい方法。
・たとえば、教えたことを上手にできる子をお手本にして、
「 何ちゃんのように やってみよう
」ということでもいい。
いいモデル、いいお手本を利用しながら教えていくことは、
伝わりやすい。
(~『 子どもへのまなざし(続)
』p362まで)
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非常に長くなってしまいました。
内容を2回に分けた方が良かったかもしれませんが、
面倒なので(>。<;)このままにしときます。
本書の抜粋部分は、前後を省略して編集していますので、極論に聞こえる部分があるかもしれません。
本書は、子育ての悩み・質問に答える形での書き方がされていますので、その文脈に沿って理解されるのがベストです。
興味をもたれたら、ぜひ本自体をお手に取ってください。
『
子どもへのまなざし(続)
』
(佐々木正美、福音館書店、2001、1800円)
さて、いよいよ次回で終わりになります。
次回は、「 子どもの障害を、親にどう伝えたらいいのでしょうか 」というところ。
これはまた、非常に難しいテーマです。
では、また次回!
☆読んでくださって、ありがとうございます。 (^0^)
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