木曜日に、私が主催する「障害児教育部学習会」に
講師の先生をお呼びして 「特別支援学級とホームルーム(「交流」学級)のつながりをどう作るか」
というテーマで学習を深めました。
その席で僕は、前回の日記で書いた
『障害があるからこそ普通学級がいい』
の本について、冒頭で紹介しました。
そうすると、講師の先生と、その本の著者の片桐先生につながりがあることが分かり、びっくりしました。
片桐先生からはメールでお話しすることもでき、
ブログで紹介することも快諾していただきましたので、
これから何回かに分けて、本の中身を紹介していきたいと思います。
文部科学省は、障害のある子とない子の「交流及び共同学習」を
すすめています。
しかし、世間一般には「障害のある子には特別な対応が必要」という意識が根強く、
「 ともに学ぶ
」ことは非常に難しいことだと認知されている気がします。
この本で出てくるような「 ともに学ぶ
」実践は、本として書店に並ぶことも少なく、「そういう学校があるんだ」「そういうケースもあるんだ」ということが
ほとんど知られていません。
だからこそ、「 ともに学ぶ
」実践における工夫やメリットについて
こういったブログで広めていきたいと思っています。
ブログでは断片的な引用・紹介になりますので、
興味をもたれたら注文してくださいね。![]()
『障害があるからこそ普通学級がいい
「障害」児を普通学級で受け入れてきた一教師の記録』
(片桐健司、千書房、2009、1600円)
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『障害があるからこそ普通学級がいい』
1
(p10まで。 緑文字
は僕のコメントです。)
・「障害」があろうとなかろうと
みんないっしょが良い
・「子どもは子どもの中で育つ」
どんなに専門的な教育や訓練よりも、
周りの子どもたちとその子の関係の中で子どもたちは育つ。
上の2つについて、僕もそう思いますし、
非常に大事な点だと思います。
すなわち、裏を返せば、
・「障害」を理由に排除するのはよくない。
・「学校は勉強するところ」というけれど、
勉強するだけなら家でも塾でもできる。
「学校」の最大のメリットは子ども集団の中で学ぶという点にある。
ということです。
「友だちの中で過ごす」という権利は最大限に尊重したい、
それが僕の願いです。
そういっておきながら、通級の担当として
別室の個別指導をすることもあるわけですが、
やはり「クラスでみんなと学ぶ」ことを基本にしたいという気持ちは
変わりありません。
・私が教員になったばかりの頃
同じ学校内にある特殊学級について、
そこで何が行われているのか、
そこがどんな状況なのかも知らずに私は過ごしてきた。
特殊学級というのは、はっきり分けられた存在としてそこにあった。
僕の子ども時代でも、そうでした。
神戸の小学校に通っていましたが、特に交流はなかったように思います。
ただ、僕の場合「周りを気にしない子」であったのと、
すぐに忘れる、という特性があったので(^^;)
本当は実は交流や理解を図る学習があったのかもしれません。
・私が教員になって4年目、
特殊学級担任が「交流」の提案をした。 (1973年)
「普通学級と特殊学級では、やっていることが違うのに
いっしょに勉強できるのか」
「特殊学級の教員は特別な手当をもらっているのに、
普通学級の教員に子どもを教えさせるのはおかしい」
などなど、反対意見が次々に出てくる。
特殊学級担任の話はこうであった。
「5組(特殊学級の名称)の子がろうかを通るときにですね、
普通学級の子とすれちがうと、
普通学級の子は何かきたないものが来たかのように
体をよけて通るんです。
(略)
5組の子が使った蛇口には誰も並ばなくなるんです。
これは、 子どもたちが理解しあえていない
からでは
ないでしょうか」
ここに出てくる反対意見は、今でもよく聞かれます。
実際にどうするのかを考えた時に、こういった反対意見も汲み入れて、
そのうえで工夫したり、職員が協力することが求められます。
僕の経験では、「やっていることが違うのに、一緒に勉強できるのか」
については、できます。
詳しいことはまたおいおい書くことになると思うので今は割愛します。
特殊学級(特別支援学級)教員の手当については、
僕の前の勤務地域では「この手当はおかしい」ということで
手当を受給した教員がその分を出し合って、子どものために役立てる、
ということをやっていました。個人的にはこの手当はなくしたほうが
余計な職員間の対立を生まなくていいと思っています。
とはいえ、今は僕は普通にこれを受給しているんですよね。
「特別」なことをしているつもりはないのにこれを受給しているのは
大変心苦しいのですが、教材や専門書を買うのに使っています。
(つづく!)================================
この後、「交流」をすることになって、それがどんどん進んで行って・・・という展開になりますが、それは次回のお楽しみということで。
教育者以外の方が読んでも、実際にあったドラマとして大変おもしろいですよ。
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