『CDブック しあわせ運べるように
』
(臼井真
、アスコム、2011/8、1600円)
この本の読書メモを書いています。
本日が第2回。
(最終回です。)
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『しあわせ運べるように』
2
(p129から最後まで。)
・(「完全に無視された新任時代」より)
音楽への情熱は身をもって示すしかない
と決心したので、
ずっと早朝4時半に起きて、一度も休まずに学校に行った。
結果的に、それが私を震災から救ってくれたことにもなる。
・ (「努力は必ず報われる『がんばり記録表』より)
5月のゴールデンウィーク明けから音楽会練習。
毎日の朝練習、休み時間練習、放課後練習と、
可能な限り練習。
そして参加した証拠に各自のカードにハンコを押す。
やりたい楽器が重なったときには、
練習に参加している回数が多い子のほうを選ぶ。
理由があって行けなかったときは、
必ず本人が私に理由を伝えなければいけない。
いくら技能があっても、手抜きをしていてサボっている子たちは
希望の楽器に選ばれない。
・音楽会の練習は、毎朝登校してきた子どもたち全員と握手して、
お互いに目を見つけあって
「おはよう」と言うところから始める。
「笑顔にならんと 離さへん」と言って、
毎朝全員と笑顔を交わすようにしている。
6か月間ずーっとこの練習をするので、
最後には苦楽を共にした思い出ができる。
・『チコタン』という歌がある。
チコタンという子どもが交通事故で亡くなってしまうというお話を、
関西弁で歌っていく歌。
10年ほど前、これを聴いていた子どもたちが、
「チコタン死んだ」というところで大爆笑になった。
その笑い声を聞いたときは、途中で演奏を止めようかなと思うくらい
ショックを受けた。
でもこの子たちの反応も冷静に受け止めなければならないと思って、
「何であの歌のあの部分であんなに笑ったのか、
怒らへんから言ってみて」
と聞いたら、子どもたちはこう言った。
「チコタンっていうキャラクターが、
ゲームに出てくるようなキャラクターだと感じ、
それがポテッとこけて死んでしまったような感覚がおもしろかった」 と。
・今の子は、何でもゲームのキャラクターだと思ってしまう。
・生命(いのち)というものが 簡単なものとして扱われている。
だから、この曲が味わえないような感性しか持てなくなりつつある。
もう2度とこの歌は歌わせられないな と強く思った。
・私が学校を転勤するときには、
2トントラックいっぱいに金管楽器やリズム楽器、
掲示物、楽譜や書類が詰まった段ボール箱などを積んで、
異動校に引っ越し。
・最後の音楽の授業では、
震災の前年につくった『ラストソング 巣立ちゆく教え子へ』
を弾き歌いする。
また、教え子ひとりずつに手紙を書く。
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紹介したいところはほかにもありますが、
「幸せ運べるように」が広まった経緯や
東日本大震災での話は、おいておきます。
ぜひ本書を手にとって読んでいただきたいと思います。
臼井先生の熱い思いや、徹底した実践を継続されているところに大変感動しました。
「私もこうありたいな」と思えるところも多々あり、あこがれを喚起されました。
「幸せ運べるように」が生まれる背景には、
これだけのエピソードがあったのか、
と驚きながら読みました。
公式サイトで、曲の試聴をしたり、動画を見たりできます。ぜひ のぞいてみてください。

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