11月に 読み書き障害の子どもの学習保障
を中心テーマとした発表を行います。
そのこともあって、読み書き障害の子どもへの指導や支援について、ここのところずっと、書籍等で調べてきました。
今日は、その中でも、特に「これは!」と思ったものをご紹介します。
『読み書き障害のある子どもへのサポートQ&A』
(河野俊寛、読書工房、2012、1800円)
素晴らしい本です!
読み書き障害に関する基本的な知識から、使えるいろいろな支援の選択肢、はてはLD(学習障害)の登場人物が登場する本や映画のリストまで掲載。
類似本を全く読んでいなくても、この本を読んでおけば、ある程度安心、と言ってよい内容です。
そのため、読み書き障害の子どもへの支援についての本を初めて買い求める場合には、まさにベストバイと言えるのではないでしょうか。
実は、発行が2012年だったので、読む前は「ちょっと古いかな」と思っていたのですが、まだまだ使える知識ばかりでした。
しかも、かなり 読みやすい
。
いやあ、いい本です!
各学校に配りたいくらい。(笑)
具体的な中身については、上の画像から飛んでいるリンク先(楽天ブックスさん)から、少し情報を転載します。ちなみに、楽天ブックスでの口コミ評価は、今現在で
4.50 です!
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【目次】(「BOOK」データベースより)
0 河野先生と考える読み書き障害を理解するためのはじめの一歩
/1 読み書き障害に関する 基礎知識
(読み書き障害と知的障害は違うのですか?
/読むことだけ、あるいは書くことだけに困難な人はいますか? ほか)
/2 読み書き障害の 検査・評価
(読み書き障害であるということは、どうすればわかりますか?
/知的能力は、どのようにして確認しますか? ほか)
/3 読み書き障害のある子どもへの サポート方法
(読み書き障害の子どもへのサポートは、「読めるようにする、書けるようにする」という方針でいいですか?
/ひらがなの読み書きを改善する指導方法を教えてください。 ほか)
/4 相談を受けてから支援までの具体的な 事例
(小学1年生の事例/小学3年生の事例 ほか)
/5 巻末資料
( 補助代替ツール
/ 用語解説
ほか)
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目次を見るだけでも、 知りたい情報が見事に整理されている
、という印象を受けます。
イラストも豊富で、負担なく読めます。
保護者にも、先生にも、おすすめ。
未読の方で、関心のある方は、ぜひ!
なお、この本に書いてあって僕が勉強になったのは、
「視覚的な原因から漢字の読みが困難な場合、
漢字にふりがなをつけるという支援は、じつは支援になりません」
(p66)
というところ。
市販のルビうちテストがかなり利用しやすくなってきた現在、漢字が読めない=ルビうちテストの利用、となりそうなのですが、子どもの特性をしっかり理解しておかないと、有効な支援にならないかもしれません。安直な発想でそう思いがちだったので、反省させられました。(ただ、パソコン画面上の漢字にルビを表示させる支援と異なり、ルビうちテストのルビは細字で目立たないようになっていることが多いです。有効か有効でないかは、実は試してみないと分からないのかもしれません。)
あと、もう一つ勉強になったのは、「 知的障害などの特別支援学級の弾力的運用
」について。
「 校内に特別支援学級がある場合、通級指導教室のように利用すること
」(p101)ができるそうです。
実は、そういう事例は知ってはいたのですが、校内の運用で特別に行っていると思っていました。こういった本に書いてあるということは、公的に認められているんだな、と驚きました。通級の対象者はあまりにも多くて、通級担当者が全然足りていない現状があるだけに、支援学級を通級のように利用することができれば、それで救われる子もけっこういそうです。
このほかにも、具体的な支援ツールの名称を次から次へと知ることができ、本書から芋づる式に情報を参照していくことで、「こんな支援があれば」と思っていたものが、「実はあるんだ!」と歓喜の涙で発見できることも、期待できそうです。
そんなわけで、強くおすすめする次第です!!(^0^)
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