leafのささやき

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北村　薫

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leaf2004

October 10, 2004

今、「ボーダーライン」真保裕一を読んでいる。

中味はおいといて小説家の見る視点・観察力には驚かさせる。

とにかく細かい。

「カンブリア紀の化石を見るような目」
「陸に上がったバイキングのような体格をした白人」
「ギンガムチェックのスーツに痩身を包み、落ち着いた
色味のストライプのネクタイ・・・首には金の鎖・・
耳にはダイアらしきピアス・・・よく磨かれた靴には
一点の曇りもなかった。」

ふちに盛られた塩の粒ほどにも持ち合わせてなかった」

小説家だからといわれればそれまでだけど、その場の雰囲気、

表情がここまでここまで細かく、しかも適材適所、的を得て

使われると気持ちよい。

私の好きな宮部みゆきさんしかり。

今、読売新聞の夕刊に出ている宮本輝氏の小説にも

ある女性がコーヒーカップについた口紅の跡をぬぐうのに

大抵の人は親指と人差指を使うのに彼女は中指を使った。

ごく自然な動作だったが主人公は疑問に思っている文が出ていた。

大雑把なO型人間の私にはとても想像できない場面である。

身の周りに小説家という職業の人がいないのでわからないけど

服装、動作の一挙一同、心の奥底まで見透かされているような

気がして落ち着かないんじゃないかと思ってしまった。

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