Une Fleur d'un Criminel ~罪人の華~

Une Fleur d'un Criminel ~罪人の華~

Cherry blossom in ward

桜咲き誇る病室

静かに眠る貴方を前に
オレンジ色の暖かな光が
頭の中で瞬いて。
まるでそう、走馬灯

唇重ねた瞬間
全てが崩れる気がした…

二度と離さないと誓ったあの日を
振り返ることすら怖くて
笑う事も叶わない貴方が怖くて。

遥かなる刻を越えて
またもう一度貴方と巡り逢いたい。
もう一度だけ、貴方の傍で。
貴方の傍で生きられるのなら
また貴方のそばで
二人笑いあえるのならば

空から降る、桜色の粉雪。
大地を埋め尽くして、夢を見させて。
地の果てが黒く染まっていく。
心が一つ、音を立てて壊れた…

優しい微風に吹かれて
春は空へと攫われた

冬に支配された貴方。
その指先をこの手で包んでも…

愛してる。
嘘じゃないから。
自分の手で。
美しい終止符を打つことにします。

冬の残る部屋
真白の桜が見える部屋には
鳴り止んだ電子音と、壊れた僕。
季節外れの桜、咲き誇る病室


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: