シービスケット

SEABISCUIT



1910年、夢と希望を抱いてニューヨークからサンフランシスコにやって来たチャールズ・ハワードは、《世紀の発明品》自動車の将来性に目をつけた。数年後、その人目を惹く容貌と巧みな話術を武器に、ハワードは西海岸で最も成功した自動車ディーラーとして寛大な富を手に入れていた。
ところが、ハワードの栄華も長くは続かなかった。最愛の息子を15歳という若さで、皮肉にも自動車事故で亡くした彼は、失意のどん底に陥り、仕事にも身が入らなくなる。ほどなく妻もハワードのもとを去っていった。
その頃、孤高のカウボーイ、トム・スミスは、折からの自動車産業の発展によって馬の需要がめっきり減り、まるで時代遅れの生きた遺物さながらだった。こうして、スミスは食いぶちを稼ぐため、西部劇《ワイルド・ワイドショー》の馬の調教師として各地を転々と旅する事になる。
一方、カナダでは、16歳の少年ジョニー・ポラードが乗馬の才能を磨いていた。何不自由なく暮らしていたが、1929年、アメリカ大恐慌の幕開けにより、無一文となった両親はジョニーを草競馬に託す。天涯孤独になったジョニーは、赤毛の愛称から「レッド」と呼ばれ、乗馬の騎手として身をたてていく。
そんな人生の辛酸をなめていた3人の男は、運命の糸に導かれるようにして一頭のサラブレッドに出会う。その名はシービスケット。
彼らと同じく運に見放された小柄な馬だった…。


一頭の馬に感情移入してしまえる映画はない。オチこぼれが這い上がり、やがては人々の希望の星になる。この映画に心動かされない人はいないはず!
シービスケットは、小柄でどうしようもない暴れ馬。競走馬としてはオチこぼれだったシービスケットが、やがては全米中を熱狂の渦に巻き込むほどの人気を博すことになる。1929年の世界恐慌は、多くの人たちから家や職を奪った。心は廃れ、希望を失った人々が溢れかえっていた時代。そんな時に現れた一頭の馬の奇跡。連戦連勝を重ねたその馬は、暗い影を落としていたアメリカ全土に一抹の光を与えた。人々は熱狂し、その頑張る姿に励まされていく。
やっぱり一番の見どころはレースシーンの迫力さ。ギリギリまで馬に近づくカメラワークのおかげで、手に汗握るスペクタクルシーンが誕生した。シービスケットとウォーアドミラルの一騎打ちには、興奮して身を乗り出してしまいそうなほどだ。馬のフォルムの美しさ、その颯爽とレース場を駆ける姿には惚れ惚れしてしまう。
お互い怪我をしたレッドとシービスケットが、草むらでよりそっているシーンがあるのだけれど、そのシーンがまた綺麗でいい!!
馬好きの人には観てみる価値100%な映画です☆


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