第1話



主人公:T子(COCOママ)
妹S子
弟1号
弟2号
母M子(COCOのばーさん)
父(COCOのじーさん)
祖母サザエ(COCOのひーばーさん)
祖父(COCOのひーじーさん)


T子は、長女としてこの世に生を受ける。
母親は専業主婦。父親は、腕のいい宮大工。仕事は出来るが、バクチ好き。
サザエは、娘M子を心配し、何度もリコンを勧めたが、
あれよあれよと言う間に、4人の子持ちとなる。

それでも相変わらず、バクチを止めない父親。
家の家財道具を借金のかたに取られることも珍しくはなかった。

そんなある日、母M子が病気になった。
サザエは、家に帰って来いとM子を説得。
M子もそれに応じた。

しかし、サザエはT子たち、孫のことはどうでも良かった。
また、M子も、子供達を連れて帰ろうとはしなかった。


取り残されたT子たちと父。
父が仕事に出かけている間、長女であるT子は母親役を務めなくてはならない。
妹と弟1号を学校に行かせ、自分は弟2号の世話をする。

その時、T子9歳、弟2号1歳半。
学校に、行きたくても行けない状況が続いた。

見るに見兼ねた担任の先生が訪ねて来た。

「T子さん、弟さんを連れて来てもいいから、学校にいらっしゃい。」

次の日から、T子は、弟2号をおぶって登校した。
教室でおむつを替えても、同級生は文句も言わず手伝ってくれた。


そんな生活がしばらく続いていたが、ある日、父はT子たち4人を
自分の親戚の家に預け、帰って来なくなった。

親戚の家で、居候生活をしていたT子たち。
しかし、その親戚も面倒を見切れずに、父と住んでいた元の家に、
T子たち4人を置き去り、帰ってしまった。


祖母からも、母からも、父からも、親戚からも見捨てられたT子たち。
その日から、兄弟4人だけの生活が始まった。

とは言え、小学生のT子に兄弟を養う術はない。
見兼ねた近所の人たちが、毎日、菓子パンを差し入れてくれた。

そんな生活が2週間続いた。

T子は、白いご飯をお腹いっぱい食べたいと思い続けた。
そして、自分達を捨てた親が迎えに来てくれることを、ひたすら祈り続けた。


近所の人たちも、このままにしておくことは出来ないと思い始めた。
そして、新聞社に連絡したのだ。

新聞記者がやってきた。
兄弟4人は、1つずつ菓子パンを持たされ、写真を撮られた。

そして、T子たちは、新聞に載ったのだった。

☆つづく☆


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