低脂肪的水道水

低脂肪的水道水

武蔵野物語 1


作者>>駅前公衆電話

ちぇっ、マジうぜぇ…

目が覚めたらまたこのニオイだった。
マジでやる気ねぇ…       最悪…


昔は、そんなに昔ではない。確か、まるで昨日あたりまではきっといつものこの感情だったはず。それがいつからこう変わったのか?そもそも何時からが昨日でいつからが今日?ただ毎日、ほぼ同じ動作を自分の意志に関係なく繰り返す。別にぼくは神でなければ霊能者とかでもない。ただ、運命とかそれに匹敵するなにか、はもはや作られている。ぼくたちは神とかマナとかそれにあたいするモノによって作られた世界に生きている、ただ生きている。そこに自由はない。もう既にそこにある路の上をなにも考えることもなくただおれたちは歩く。目的地がすぐそこなのか、あるいはまだ遠いのか、それすらも分からぬままひたすら歩く。出来れば目を瞑って歩いたほうがいい。もし、その途中で自分の手で掴みたいモノが出来たとき、明らかにそっちのほうが便利なことは明解。
夢を見た。なんの夢かはもう忘れた。朝になったら普通に自然に忘れていた、ただそれだけの話。ただ、唯一の疑問はそれは本当に夢だったのか?自分は本当に夢を見たのか?見えているのに見えていない。見えていないのに見えている。ただそんな、それだけの恐怖。というにはあまりに子供じみたかわいい恐怖。の中でぼくは確かに見たものがある。それがなんだったのか未だにわからない。でも、それははっきり見えていた。そして、確実にこの手で掴みたいと思った。確実にこの小さい手で掴まねばならなかった。 暗い道を1人で歩いた。基本的に赤い映像。月は不気味に赤く吸血鬼の瞳。手には小刀。握り締めてる手の平は血が滲みでている。暗い道を1人で走った。なにに怯えているのか?むしろ自分が本当に怯えているのか?それすらもわからぬまま、ただ走った。暗い暗い道をただ走り、なぜ走っているのか、それもわからぬままただ、あまりに純粋すぎるほどに足掻いて足掻いて喘いで喘いで、どこが目的地かもわからぬままにどこかに向かった。その先の遠くのほうでぼくは一体なにをしたのだろう…自分の全部を信じるとこも出来ずに、ただ様々なイノセンスというその実態がぼやけた言葉だけを無意味に信じ、ただ本当に生きた。本当にただ生きた、だけ。


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