気持ち良くながれる

気持ち良くながれる

いよいよ採卵


私の体に受精卵が胚移植された。
現時点では妊婦に限りなく近い体。
これから受精卵が無事内膜に
留まり続けてくれたら 判定日を経て
私の妊娠が確認される。

内膜に留まってくれなかったら
妊娠ではない。

今回はあくまで卵を採って
出来れば凍結受精卵を作ることを
目的にしていたので
あまりにもあっけない感じで
まだ自分でも何が起こっているのか
よくわからない。

正直ここまではとても順調で
びっくりした。
結局6~7個と言われた私の卵は
5個採取され 4個が成熟卵。
その4個が全部 受精、分割を始めた。

採卵前日 夜11時以降は飲食してはいけない。
なぜなら 全身麻酔を希望したから。。。へへ。

ありえないでしょ、局所麻酔なんて
しかもどこに打つのよ~って。

前日あまり緊張していなかった私を
旦那ちゃんが藪蛇。

「ねえ明日のこと考えると怖い?」

突然事の重大性に
気づかされたおかげで
あんまりよく眠れなかった。

ほんとあの男は余計なことを。。。怒

私が行っているのは不妊専門の病院なので
ロビーにはお仲間しかいない。
それはとても気楽です。

堂々と

「採卵が~」とか

「お注射が~」とか言えるのって

本当に気楽。今まで妊婦ちゃんの間で
小さくなって近所の病院に行っていた
ことを考えると 開放感が違う。


当日採卵予定は全部で4人。
もうかってるな、ここの病院。

他の3人は麻酔をしないので
さくさくとロッカーで着替えて
さくさくとカーテンに囲まれたお部屋へ
消えていく。

靴を履き替えて 採卵・胚移植専門の階へ。
おぱんつ・ブラをとって日帰り温泉みたいな
ガウンを着て お帽子をかぶる。

そこで私は自分のセル?を与えられた。
なんと各セルには液晶TVがある。
さすが高いだけのことあるなあ。

このごに及んでお尻にお注射。
もうどうにでもしてくれ。

そして点滴を入れ…

入らない…

私は看護婦さんがいやがる血管出ない・
しかも細い女。
点滴はだいたい手の甲で
注射なんて入らないと 手首だよ!!!

前日から干上がっているのだから
ますます血管なんて浮いてこない。

結局点滴のための血管確保を断念した
看護婦さんに
採卵用のお部屋に連れて行かれた。

手術室然としたところに
あの恥ずかしい台。
あんよのとこには
なぜだか ムートンが…。
あたりが柔らかいのかしら???

今までとはうってかわって
看護婦さんや先生達がきびきびと
歩き回っている中
ノーパンの私は台に乗って
両側から点滴のための血管を
計4人に探られた。 涙

「ごめんね~ごめんね~」

と言われながら
計10カ所の穴、しかも血漏れしたのか
しばらく痛かった。
(今も青あざあるし 涙)

ラボナを入れられてきもちよ~く
ぼおっとしてくる。

「どう、効いてきた?」と

先生に聞かれて思わず

「はい。らりりましたあ」と

ご機嫌で答える私。

その後有名なカウントが始まり
私はぐっすりと眠ってしまった。

なんとなく目をさますと
カーテンの向こうでは
お仲間がうめいていた。
相当痛そうだったので
らりりながら

「がんばれ~がんばれ~」

と声をかけていた。

回復までまた自分のセルに
入れてもらった。
ご褒美のジュースと飴ちんを
なめながら

「だめならまた卵とればいいよ」

今までで一番前向きな
気持ちの私がいた。

痛くなかったし
気持ちよかったからだろう。

結局らりらりしながら
家に帰って ぐっすりと
眠った。




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