LunaLowe－ルーナレーヴェ－

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2011.03.08

念願だった筈の其処で最初に味わったのは、苦痛だった。

其れは体を蝕む光。全身を灼かれる痛み。
だが直ぐに楽になる。

今し方得た血識が血肉となり、私を守る鎧となっていく感覚を実感する。
これが我が能力にして血識を得るという昂揚感。
知識を好む私がこの能力を得て生まれた事は必然かもしれないが、実に幸運だと言えよう。

･･･へぇ。寄せ集めの道具じゃ低級悪魔が精々だと思ってたけど。
･･･イマの光は故意ですか、まぁカマいません。

･･･ヘンジンですね、貴女は。
･･･そうでしょうね。

その時、彼女は総てを見透かした、そんな目で私を視ていた。
悪魔たる私が認めたくはないが、不気味だ。

それじゃあ望みはと･･････あれが見える？

彼女の目が示す方向を覗き込む。
それは無駄としか言えない程の大きさを持った巨大な建築物だった。

あれはLOM、私が知り合いにあげたマンションとその他諸々の敷地。
･･･それで、ワタシにどうしろと？
あれを守ってほしいの。直接じゃなくても良い、影で支えてあげてくれればオッケー
･･･それが悪魔に望むコトですか、正直言って少々拍子ヌけです。

ねぇ、ドッペルゲンガー君？

またあの目。
有り得ない話だが、皮の内側･･･私自身を見ている気がしてならない。
まるで彼女こそ人間の皮を被った、私よりも巨大な何かだと思わさせる。
･･･彼女は本当に人間なのだろうか。

それはぁ･･････ひ・み・つ♪
･･･ならばせめて、汝の名前をオシえてください。
あぁそっか、名前は大事だったわね。
私の名前はね･･････

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