以前お伝えしたように、この分野の研究では依然として論議が巻き起こってはいるものの、果物や野菜を食べると乳がんの危険性は低くなることが数件の研究で実証されています(Jrnl Nat Cancer Inst1991年3月)。研究によって乳がんの危険性低下に関連すると考えられる栄養素には、αカロチン、βカロチン、ルテインなどのカロチノイド(植物の色素)、そしてその他にビタミンAやビタミンCといった抗酸化剤があります。
緑茶:日本人8千人以上の緑茶を飲む習慣を9年にわたって調べた研究では、緑茶をたくさん飲む(1日に約10杯)女性はがんに罹る割合が40%以上も低いことが分かりました(Prev Med1997年)。アジアで行われた別の研究では、お茶が直腸がん並びにすい臓がんの危険性を減らしていることを指摘しました。一方、実験室で行われた研究でも、お茶が乳がん、肝臓がん、食道がん、皮膚がん、肺がん、胃がんの危険性を低くしたことを明らかにしています。こうした抗がん作用を発揮すると考えられている緑茶の主成分の一つがエピガロカテキン・ガレート(epigallocatechin gallate/EGCG)。この物質は皮膚にじかにつけ皮膚がんの危険性を下げることができるというもので、がんに罹る細胞が腫瘍を形成するために必要な栄養摂取を妨害すると考えられています。 Control Your Weight (体重をコントロールする) こうした栄養素のアドバイスに従うと共に、食べ過ぎに注意しましょう。太りすぎは肺がん、結腸がん、すい臓がんの危険性を増大させます。また、運動も忘れずに。体を動かすことは、がんに罹る割合を下げること、また体重をコントロールする上で重要な要素となるのです。これからのEnergy Times誌では、引き続き、がん予防について最新の情報をお届けしていくつもりです。がんは実に恐ろしい脅威をもたらしますが、ライフスタイルを調整していくことでその危険性を下げることができるのです。