まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2020.03.18
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「恋は続くよどこまでも」最終回。

ついにはキスだらけのサービスショットを山盛りにした、
救いようもないネタドラマみたいになっちゃった(笑)。

天堂が「ツンデレ」から「デレデレ」になるにつれて、
たしかに七瀬の魅力はどんどん強まったけど、
かえって天堂の立ち位置がよく分からなくなった気もする。
なんだか佐藤健より、
萌音のほうにドキドキするというワケワカラン感じだった。

それって狙い通りだったのでしょうか?


「ツンデレ」より「デレデレ」のほうがアピールしやすかった?



それにしても、
この内容の乏しさ、身も蓋もないネタっぷりは、
スカイツリーを東京タワーに置き換えたら、
そのまま80年代の安っぽいトレンディドラマと変わらない。

TBSが高視聴率に浮かれた結果ともいえるけど、
もともとプロデューサーや脚本家自身に、
さして描くべきテーマがなかった証拠だともいえる。

最後まで「仕事と恋」の葛藤に焦点をあてたのは認めますが、
第一話で見られたような真剣さや素朴さからすると、


しかも、
もう続編の余地もないくらい、
完膚なきまでのハッピーエンドにしてくれちゃったし…。



恋人と死別した悲しみのなかにあった魔王が、

ほとんど隅に置かれたまま忘れ去られてしまいました。
天堂は、みのりのことを全然思い出さなかったし、
その苦しみと葛藤が切実に描かれることもありませんでした。

ただ「魔王」「勇者」という呼び名だけが上滑りして、
本来あるべき光と影の対比が十分に描かれないまま、
逆に「花男」みたいな貧乏人と金持ちの比較ばかりが強調された。

むしろ、
前日に放送されたCDTVの卒業ソングスペシャルで、
まるで大江奏のテーマみたいだったスキマスイッチの曲を、
萌音が、ヒゲダンの主題歌に関連づけるように歌って、
このドラマの本来のテーマを浮かび上がらせたことのほうが、
本編よりもよっぽど秀逸な表現だったなあと思います。

君が僕の前に現れた日から 何もかもが違くみえたんだ
独りじゃ何ひとつ気づけなかっただろう こんなに鮮やかな色彩に


これが萌音の選曲だったなら、
彼女はプロデューサー的な才能がありますよね。



ただ、
とりあえず陳腐なハッピーエンドに終わったとはいえ、
「恋つづ」がまだまだ使えるコンテンツだろうとは思う。

佐藤健のツンデレの美しさを最大限に引き出したこと。
「天堂担」「逆治療キス」などのワードの創出に成功したこと。
そしてセーラー服やナース服の野暮ったかった萌音が、
可愛い私服を着たカップルになっていく様子に夢を見せたこと。
そういう、いくつかの勝因が、
このコンテンツでこそ可能だったのは疑いようもありません。

もちろん、それをただ機械的に反復して、
安易な勝利に結びつけようとする発想は間違ってるけど、

いまや萌音の代表作になったわけだし、
(個人的には萌音に挿入曲を歌わせなかったのも悔やまれるし、)
もし佐藤健がもういちど「ツンデレ」からやり直せるのなら、
脚本家を再選定したうえで、
もう少しまともなスペシャル版に書き直してみるとか、
あるいは東宝で映画化してみる価値は十分あると思います。

「ぎぼむす」の場合も、
レギュラーシリーズの出来はそれほどでもなかったけど、
お正月のスペシャル版はかなり質の高い内容になったし、
あのレベルを目指せるなら、ぜひ新作とかリメイクにも期待したい。



いずれにせよ、今回のドラマを見て、
萌音が想像した以上にコメディに向いてるのは分かった。
ドタドタした役柄のほうが可愛いのかもしれません。

今回はTBSで磯山晶のドラマに出たわけだし、
もともとクドカンとも面識があるのだから、
そういう路線もいいのかなあと思えてきました。


そこまでいけば、かりに短期間でも、
萌音と萌歌の「レミゼ」の共演だって現実味を帯びてくる。
もちろん萌音がファンティーヌ、萌歌がコゼットってことで。


ちなみに、
「A stadio」で萌歌がヒゲダンの生演奏を聴いて泣いたのは、
たんに音楽が好きだから、というだけでなく、
やはり今回のドラマが姉の代表作になると確信できたからでしょう。

でも、この結果はけっして偶然とはいえません。
萌音のようなキャラクターが同世代の共感を得たのは、
むしろ時代の変化を確実に映し出した結果です。


「容姿が可愛くてお洒落なほうが恋愛市場の勝ち組にふさわしい」
…みたいな薄汚れた価値観は、もう古くなってきています。
それはいわば弱肉強食が露わになったバブル以来の価値観なのだし、
ある意味では、かなりヤンキー的な発想のものだからです。

むしろ今は、
見た目よりも「心の純粋さ」みたいなほうが共感されやすくなってる。

ただでさえ、若い世代の人たちは、
政財界の大人のような見え透いた嘘八百にウンザリしてるし、
まるで腹黒いことがデフォルトみたいな既存社会のあり方にも、
いいかげん愛想尽きているのですよね。

そういうなかで、
上白石姉妹や浜辺美波のようなピュアな女子のキャラが、
大きなアドバンテージになってきていると思います。
それが新たなマーケティングの方向性も示しはじめてるのです。






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最終更新日  2020.09.26 20:57:33


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