まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2020.03.25
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カテゴリ: スカーレット!
たぶん、このドラマの最大の特徴は、


でも、それは逆にいうと、
「夫の存在を蔑ろにすること」だったともいえる。
事実、八郎はほとんど役立たずでした。



これと対照的だったのは「あさが来た」です。

あの作品も「スカーレット」と同じ部類で、
女だてらに出世した偉人の物語だったのだけれど、


たとえ夫が呑気な遊び人だったとしても、
陰ながら妻を支える理解ある夫として美化されたし、
主人公も彼のことを「旦那様」と呼んで慕い続けたのですね。
最終回でも、主人公は夫のもとへ駆け戻っていきます。

※これを「保守的」だと批判したのが、大御所プロデューサーの小林由紀子でした。


「スカーレット」は、まるで逆です。
まずは八郎との離婚にいたる過程をじっくり描きました。

そして、その後は、
たとえば「半分青い」のように、
別れた夫をろくに登場させない選択もあったのでしょうが、
そうではなくて、あえて八郎を再登場させて、
形のうえでは「父」としての役割を与えつづけたのですね。


八郎は、まったくもって役立たずでした。
ほとんど「いてもいなくても同じ」って感じ。
夫としても役立たず。父としても役立たず。
ここまで男性の役割をコケにした朝ドラも過去に例がない。

主人公は、息子のことにしか関心がない。


このドラマの「主眼」だったと思えてしまうほどです。



もはや「スカーレット」の主人公は、
1ミリたりとも夫には頼っていませんでした。
精神的にも、肉体的にも、経済的にも。
夫の意見にもいっさい左右されることがなかった。

その代わり、主人公自身が、
どんどんオッサンみたいになっていくわけですが(笑)。

喜美子だけではない、
照子も、ちや子も、みんなオッサンみたいになっていく。

ここに、今作の新しさがあったといえます。
自立した女性のオッサンみたいな生きざまを、
ここまで徹底的に描いた朝ドラは過去にありませんでした。

それは、しかしながら、
けっして生易しい成功譚にはならないのですよね。
たえず厳しい現実に向き合わざるをえなくなってしまう。
実際には陶芸家として大成功しているにもかかわらず、
その成功っぷりは、ごく控えめにしか描かれない。

ひたすらシビアで難渋な出来事がつづき、
そうそう簡単にはハッピーエンドにならない、
そんな自立した女性の姿を描ききったのが今作なのでした。



それにしても、
実際のモデルがいたとはいえ、
これだけ密度の濃い物語を紡ぎ続けたのだから、
水橋文美江の筆力はかなりのものだったと感じます。





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最終更新日  2020.09.19 19:01:33


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