全国の名物研究所

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名物調査 【茨城県】


 栄えある関東第1回は茨城県です!

 これ、「いばらぎ」って読むと茨城県民に怒られますのでご注意くださいね。でも、「いばらき」でも「いばらぎ」でも変換できてしまいます……(悲)。

 茨城の名物っていうと、個人的には茨城弁かなぁ。私、茨城出身の友達が結構おりまして、一日一緒にいると移っちゃうんですよね~~。

あ~、名物っても、おめ~、それは食えなかっぺよ。

 あの独特のイントネーション。埼玉県や栃木県、さらには福島、宮城、青森だって基本的には同系列の抑揚でしょうが、茨城だけそのふれる幅が大きい。群を抜いている。なぜなんでしょうか?

 青森県の友人が「おらんとこもなまってっけど、茨城県の人にはかなわねぇ」と言ってましたよ(笑)。

 でも今、地方の個性が尊重されるようになり、方言があるほうが良い時代です。それに最近の女子高生のしゃべり方ってどうしても茨城弁に聞こえるのは私だけ? 

「んねぇ、これってぜってぇ~かわいくねぇ」とか。
 もしかして、茨城弁って流行ってんの?

 さてさて、茨城の食べる名物といえば何があるでしょうか?

 名前がいまひとつですが大好きな「アンコウのドブ汁」、鹿島灘の「はまぐり」、水戸の「梅酒」なんか定番ですね。

 そして、意外なものの発祥の地でもあります。まずは ラーメン 。説によれば、黄門様こと水戸光圀公が日本で最初にラーメンを食べた人だとか。水戸市内の金龍菜館という店ではそのラーメンを再現して食べさせてくれるそうです。

 それから竜ヶ崎市は うな丼 の発祥地なのだとかで、うな丼街道というのもあるそうです。それから日本での本格的なワイン醸造を始めたのは牛久シャトーでしたね。

生産量でいえば、納豆、れんこんが日本一 。それから干し芋、ダチョウも日本一とか。ダチョウは 「ダチョウ王国」 という観光牧場があって、美味しくて健康にもいいダチョウの肉も食べられるそうです。

そして恒例のお米チェック!  いつもどおり、「日本穀物検定協会」が行う米の食味ランキング(平成16年版)によれば、茨城県は下記のとおり。

 茨城 県南 あきたこまち A’
 茨城 県北 コシヒカリ 特A
 茨城 県北 ゆめひたち A

 ゆめひたちは、キヌヒカリとチヨニシキを掛け合わせた茨城県のオリジナル米です(食べたことありません)。
 実は茨城県は知る人ぞ知る米どころで、特にコシヒカリは、新潟産コシヒカリや秋田産あきたこまち、宮城産ひとめぼれなどとくらべると、価格は安く美味しさは遜色ありませんのでおすすめ。

 まあ、いろいろとありますが、ここでは納豆の話を掘り下げたいですね。 美味しいご飯にもぴったり合いますし。

 さて、納豆ほど好き・嫌いで白熱した議論が交わされる食品は少ないでしょう。納豆は西日本、特に関西圏で嫌いという方が多いといわれましたが、最近ではあまり聞かなくなったようですね。
 健康にいいとか、機能性食品として優れているとか、食べていいことはたくさんあることに気がつき、西日本でも食べられるようになったでしょうか。
 もしかして、青汁のように我慢して食べて「 う~ん、まずい! 」とか西日本の人は言ってるのでしょうか……。

全国納豆協同組合連合会 のHPをみれば、ネバネバするほどそんな良い効果が書き連ねてあります。
 その効能書きもさることながら、納豆を半年間食べてダイエットに成功した女性の体験レポートが連載されていているのがなかなかでした。

 納豆を「くさい、腐ってる、アレは人の食べるものではない」なんていう人、たまにいるじゃないですか。これはホント失礼な発言だと思います。自分は食べなくてもいいけど、人が好んで食べているものをそこまで否定する権利なんてありませんよね。

 でも、これが食文化の違いの怖いところです。

 私のところは幸いほぼ同じようなものを食べてきたもの同士が一緒になったのでその辺のいざこざはあまりないのですが、結婚して相手の食文化があまりにも違うので愕然としたなんて話、よく聞きますよ。
 そして、こればっかりはなかなか迎合できなくて、夫婦喧嘩になったり、もしかしたら別れてしまうなんてことも……。その代表例が実は納豆のような気がします。納豆は嫌いな人は徹底的に嫌い、好きな人はとことん愛する食品、だから譲り合うことがなかなか出来ません。
 納豆の名誉のために言い訳しておきますが、納豆を嫌うほとんどの人が、実は食わず嫌いかあるいは食べ方を間違えていることが多いんです。納豆ってかき混ぜずに醤油や薬味を入れないで食べると、かなりマズイって納豆好きの私でさえ思います。

 私は関東生まれですから、納豆はいつも身近にありました。今住む金沢市は西日本文化圏ですが、スーパーなどでは首都圏と遜色がないくらいたくさんの納豆が売られていますし、驚いたことに金城納豆という地元のメーカーまであります。

 えっと、納豆の話をいろいろ書きましたが、茨城県が出てきませんよね。

 たぶん、全国の人に「納豆で有名なところは?」と聞けば、ほとんどの人が「水戸」もしくは「茨城」って答えるでしょう。

 いろいろと調べてみましたが、水戸と納豆の関係以前に納豆自体の期限も実は釈然としません。弥生時代に自然発生的に生まれたとか、奈良時代に大陸から伝わったとか、永和3年(1083)、奥州平定に向かう八幡太郎(源)義家の軍勢が発見して広めたなど、いろいろな説が出てきます。

 そして、水戸との関係もいろいろあります。先の源義家が広めたのが水戸郊外だったとか、水戸光圀が奨励したとか、さらには 「水戸天狗納豆」 の創始者が、江戸で「糸引き納豆」が好まれていたと書かれた古文書を見て明治時代に研究の上、商品化に成功したという話もあります。

 実際のところでは納豆に適した小粒の大豆の産地だったことも影響あるでしょう。

 一個一個検証して、さらに時系列で整理したらそれはそれで楽しいのでしょうが、どんな結論が出ても「水戸の名物は納豆である」という事実は変わらないので、やめておきます。納豆のルーツを極めたい方は、 「おかめ納豆」 のタカノフーズに納豆博物館がありますのでそこで聞いてみてください。そしてその結果は、私にこそっと教えてください。

 以前、友人の結婚式に出席するために水戸駅前のビジネスホテルに泊まったことがあります。朝食には、あって当たり前の納豆が見当たりません。「おかしいなぁ」って思ったら、巨大なボールに納豆が山盛りになって奥に置かれてありました。なんと、納豆はおかわり自由の盛り放題!。さすが、本場は違うなぁ~って感心しました。

 納豆は、納豆自体が好きか嫌いかという話とは別に、いろいろと人ぞれぞれのこだわりが出てくる食品です。

 たとえば、何回かき混ぜるか、そしてどうやってかき混ぜるか。何を入れるか、どのくらい入れるか。粒は小粒がいいか大粒か、あるいはひきわりか……など。このテーマだけでも際限なく議論出来ちゃいます。

 ちなみに、私の食べ方を。

 まず納豆は朝食では食べません。朝から納豆を食べると一日中納豆のにおいが糸引いちゃうんで。
 だから食べるのは夕食のみ。回数は週2~3回くらい。好きな銘柄は水戸天狗納豆。水戸駅や常磐道のSAでお土産に売っている藁つとに入った納豆です。それと「くめ納豆」も好きですね。極小粒でやや固めの豆の感触が好み。

 で、パッケージを開いたらまずはひたすらかき混ぜます。このかき混ぜる回数を指定して通ぶる人もいますがそんなものいちいち数えません。嫌になるまで、なるべく糸がたくさん出るまで一所懸命にかき混ぜます。納豆の糸にはグルタミン酸が含まれているので糸がたくさんでたほうが美味しいはずです。
 そのあとに多目の薬味のネギと鰹節に添付のたれ、カラシ、そしてちょっとだけ醤油もたらして、気が向けばさらに青海苔もまぶして、今度は全体が絡み合うようにゆっくりとかき混ぜます。

 比較的オーソドックスな食べ方だと自分では思っていますが、世の中には、砂糖や塩をまぶしたり、生卵を落とす人もいます。そして、その人たちはその人たちで、自分の食べ方こそ「オーソドックス」だと思っているでしょうね(笑)。

 納豆に砂糖や塩をかけるとどんな味になるのか? せっかくなので、今度試してみようかなって思います。異文化との交流こそ、新しい文化を創造します。もしかしたら納豆の新しい食べ方を創造できるかもしれませんよ


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