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颯HAYATE★我儘のべる
雨が止まない 19
「道明寺さん」
「―――あ、このたびは・・・」
「癌ということはわかっていましたし、覚悟はしていました。お悔やみは結構です。
実は、ちょっとあなたにお話がありましてね。 お時間はありますか?
あなたに・・・兄から伝言があります。」
鷹野颯介が俺に言葉を残した?
予定はあった。 だがそんなものよりも颯介の言葉に惹かれた。
今、聞いておかなければならないと思った。
「大丈夫です。」
俺がそう答えると煬介は少し考えて、俺の車に乗ってきた。
駐車場に止めた車の中、後部座席に男が二人。
運転手には席をはずしてもらい、完全に二人きりだ。 話を聞かれる心配はない。
しばらく黙っていたが、煬介がゆっくりと話はじめた。
「道明寺さん、あなたはまだ・・・つくしさんを愛していますか?」
いきなりの質問に戸惑った。 愛している、それが正直な気持ちだ。
しかし、今まさに荼毘に臥されようとしている男性の妻を愛していると答えていいものか、迷いがあった。
「正直に答えてください。 あなたとつくしさんのことは知っていますし、兄の伝言に関係のある質問ですから。」
「――――愛しています」
煬介は俺から視線をそらすことなく、次の質問をした。
「愛してるのは牧野つくしさんですか?」
「ええ」
なぜ、わかりきったことを聞くのだろう。
つくしさんを愛しているか?と聞いた、だから、愛していると答えた。
「―――あなたは鷹野つくしを愛していますか?
あなたが愛しているのは牧野つくしですか?
今、この世に牧野つくしは存在しません。 牧野つくしは鷹野つくしでもありますが、あなたの知っている女性ではない。」
「―――たしかに牧野は大人になった。でも、俺も成長したと思いますよ。
牧野と付き合っていたころの俺ではない。」
煬介はしばらく黙っていたが、意を決したように口を開いた。
「道明寺さん、あなたがつくしさんを愛しているのはわかります。
ですが、彼女には今、颯希がいます。 彼女と同じように颯希を愛せますか?」
司にはこの質問がどこに向かっているのか全然わからなかった。
煬介は何が言いたいのか、颯介の伝言とは何なのか。
もしかしたら、と思うが・・・それはこの場で話すには場違いなものだ。
「―――俺は彼女を愛しているし、おそらく、牧野つくし・・・鷹野つくし以外の女性は愛せないと思う。
あんな女は他にいない。
俺はまだ颯希という子には会ったことがありません。 ですが、彼女が愛しているものは全て愛せる自信がある。
彼女の分身ともいえる子です。 すでに愛していますよ。」
「―――たとえ、それがあなた以外の男性と彼女の子供であっても?」
「ええ」
俺は力強く答えた。
以前の俺なら嫉妬もしただろう、だが・・・今はそれもない。
会ったこともない牧野の子供を想像すると、愛おしさがこみ上げてきた。
俺が嫉妬するのは鷹野颯介に対してだけだった。
最初は牧野と結婚した颯介が憎くて仕方がなかった。
だが牧野は幸せだと言った、次第に俺の気持ちも憎しみではなく、ただの嫉妬と羨望に変わっていった。
「俺はつくしもその子供・・・颯希も愛している。」
愛せるのではなく、愛している。 俺がそう答えると煬介は悲しげな笑みを浮かべた。
「では・・・君は兄さんの言葉を聞く権利があるね。」
聞く権利。 つまり、今までの質問は颯介の残してきた言葉を聞く資格があるかという試験だったわけだ。
「―――俺が死んだら、つくしと娘のことを頼む。あとはお前が幸せにしてやってくれ。」
俺は言葉が出なかった。 それは、つまり・・・。
「誤解するな。 つくしさんはモノじゃない。 だから彼女の気持ちが大事だ。
だが、彼女を支え、力になってくれる人が必要だろう?
その人になれと兄さんは言っているんだ。
それでいつか、彼女が再婚したいと言えば、兄さんは祝福するってことだ。」
俺は言葉もなかった。
だって、当然だろう? 牧野と結婚なんて、もう考えても無駄、そしていけないことなのだと必死に自分に言い聞かせていた。
それが、亡くなった夫から、結婚を考えてもいいと許可をもらったのだから。
本当は恋愛に許可など必要ないだろう、だけど・・・俺たちは色々あった。
その俺たちが一歩踏み出すには彼の言葉というのは、とても大事なものだ。
「再婚って・・・牧野と?」
「―――さっきも言ったけど、彼女がその気になれば、だよ。」
煬介はまた考えるように少し間をおき、話を続けた。
「兄がプロポーズしたとき、彼女は、まだ君を忘れられないと言っていたそうだ。
だが、君の記憶はいつ戻るかわからないし、少し強引に自分に目を向けさせたらしい。
今、彼女の愛情が本物であるのは間違いないし、兄もそれを疑っていなかった。
―――二人が結婚してすぐに、君の記憶が戻っただろう?
その時から考えていたらしい。 自分がもしも死んだら、彼女を助けてくれる男性が必要だ、それは君しかいない。
兄はそう思っていたらしい。 彼女は人に頼るのが苦手だ、君相手ならなおのことだろう?
でも、君は彼女に何かあれば、すぐに手を差し延べたいだろ?
陰からさりげなく、表からもさりげなく助けてくれる人が必要だってね。」
牧野は、さっきは素直に頷いた。 だが、いざ人を頼らざるを得ない時になれば躊躇するに違いない。
以前ほと頑なに拒むことはないとしても・・・
「表と裏、どちらもすることは同じでも、うまく使い分けて彼女を助けてくれる人が必要なんだって考えていた。
それは・・・兄が彼女にプロポーズをしたときから、死期を悟っていたからでもある。」
俺は煬介の言葉に唖然とした。 颯介は求婚したときから癌だったということか?
「兄さんはね、癌だと知っていて、彼女に黙って結婚したんだ。
その時は治ると信じていたらしいが。だが、自分を卑怯な人間だと言っていたよ。
最期は幸せに逝ったと思うが、君から彼女を奪ったという罪の意識もあったみたいだね。
俺はそうは思わないんだが・・・」
「俺は奪われたなんて思っていない。 さっき煬介さんが言ったように、最初、牧野は俺を忘れられないと言ったんだろ?
それなら、やっぱり俺がアイツのことだけを忘れたことが原因だ。俺が自分でアイツを失ったんだよ。」
煬介の話を聞いても颯介を責める気にはなれない。 颯介が騙した相手は俺じゃない。
牧野が彼を許しているなら、俺が何も言うことはない。
俺は自業自得でアイツを失った、アイツの愛を失ったんだ。
友の忠告を聞いていれば、もっと思い出そうと努力していれば。
後悔はたくさんある、だが過去はかわらない。俺がバカなだけだ。
「颯介さんが・・・俺に罪悪感を持つ必要はない。
謝る相手は俺じゃないし、俺が責めるようなことでもない。」
「ああ、俺もそう思うが・・・人間の心ってのは複雑だからな。
死を前にして、兄さんがどう思い、感じたかなんて本人しかわからない。
俺は兄さんが伝えて欲しいと言った言葉をきちんと伝えるだけだ。」
「―――わかった。」
「つくしさんだって、これからずっと未亡人でいるには若すぎる。
颯希だって父親は必要だ。祖父や叔父だけじゃなくね。
もしかしたら、これから出会う誰かに恋するかもしれない、
もしかしたら、君たちの親友に惚れるかもしれない。先のことはわからないよ。
でも、兄さんが君にわざわざ言葉を残したのは、遠慮してほしくないからだと思うね。
君もつくしさんも自分たちの気持ちは置いて、亡くなった兄に遠慮して進展がない気がしたんだろう。
だから、はっきりと言葉で伝えたかったんだと思う。
自分に遠慮するなよ、自分は彼女と結婚して幸せだったって。
事実、二人はいつも幸せそうだったし、颯希ができてからはさらに幸福度が増した。
兄はもう、颯希にメロメロだったしね。」
「―――牧野がまた俺に惚れてくれるかは、わからない。だが努力はしたい。」
「そうしろ。 簡単にはいかないだろうが・・・だが、聞いているよ。
高校時代だって、簡単には付き合ってもらえなかったんだろう?」
そうだ、あの頃も何度「お前が好きだ」と言っただろう。
なかなか俺に惚れない女。 あんな女は初めてだった。
必死で口説き落とした女。 あの頃の自信はどこからきていたのだろう。
もう一度・・・牧野を俺に惚れさせよう、惚れてもらえる男になろう。
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