PR
Keyword Search
Calendar
Comments
ロッドからアートの過去を聞いてから2日後、
あれから毎日剣士と少女は花畑で話をした。
アート:「私ね!虹っていうのを見てみたいんだ!そしてね!お歌も歌いたいんだ!それでね!それでね!!」
アートの口から発せられる言葉、夢、全てが剣士の心を打っていく。そして剣士は思う。
この少女の夢全てを叶えてあげたいと、暗く沈んだ自分を変えてくれた恩返しとして。
一方集落では、
ロッド:「おぉ、沼がとうとう歩けるようになったか!そっちの作業も進めていこう。」
男達が作業道具を持って沼のほうへと歩いていく。すると前方のグループが足を止めた。
ロッド:「どうした!?早く歩かないと日が暮れてしまうぞ!!」
すると前方から叫ぶ声のような声で返事が返ってくる。
先頭にいた男:「な・・・・ナーガ族だぁぁぁ!!!!」
それを聞いてロッドが前方を確認する。1kmほど先に100匹ほどのナーガ族の大群が見えた。
ロッド:「みんな集落に戻れ~!!女子供は一番奥に!男達は武器を取り守りを固めろーー!!」
ワー!キャー!と集落全体がパニックに陥る。その声は少し離れた花畑に居る片腕の剣士のもとにも届いた。
片腕の男:「まさか・・・・・・」
アート:「あれ?お祭りかな?」
片腕の剣士がアートに言う。
片腕の剣士:「アート、絶対にここを動いたらダメだぞ。分かったかい?」
アート:「うん!分かった!」
そういうと片腕の剣士は集落のほうへと走り出した。
片腕の剣士:「頼む・・・・間に合ってくれ・・・・」
片腕の剣士が集落につくと、目の前には傷ついた男達と静かに泣く女子供の姿だった。そして、沼地への入り口のほうにロッドの姿が見えた。
片腕の剣士:「ロッド、ナーガ達が来たのか?」
ロッドは血が滲んでいる右手を押さえながら、
ロッド:「あぁ、とうとうきやがった・・・、今はこの門を閉めているから大丈夫だがいつ破られるか・・・。今回は奴らも本気で我々を全滅させる気だ。」
片腕の剣士が門の隙間から向こう側の様子を見る。
片腕の剣士:(両腕あればなんとかなったかもな・・・・。あの子の・・・そしてここの人たちのためなら・・・・)
片腕の剣士:「ここを開けてくれ、俺が行く。」
ロッドは一瞬その言葉に面喰らうも、
ロッド:「お、おい!正気か!?相手は100匹ものナーガだぞ!!自殺するようなもんだ!」
片腕の剣士はスッと剣を抜き答える。
片腕の剣士:「信じてくれ。必ず奴らを倒すから。最後は剣士らしく振舞わせてくれ。」
しばらくロッドは下を向き考える。
ロッド:「・・・・・・分かった。だが、あんたが稼ぐ時間を無駄にはしない。我々も迎撃の準備をするから、それまで頼む・・・。」
片腕の剣士:「あぁ、これでも昔は有名な時期があったからね。頑張るよ。」
ロッドが苦笑いをしながら門を開けようとした時、
アート:「お兄ちゃん!もうここ出ていっちゃうの??」
そこにはゼェゼェと息を切らせたアートが立っていた。片腕の剣士がそっとアートに近づき。ポンと頭の上に手を置いた。
片腕の剣士:「あぁ、そろそろ行かないといけない時間なんだ。ほんとに楽しかったよ。」
アートはポロポロと涙を流す。
アート:「やだよ!ずっとアートと遊ぶって約束したでしょ!」
片腕の剣士はニコッと笑う。
片腕の剣士:「俺の名前はバリシュ、覚えておいてくれ。」
そういうと片腕の剣士はスッとアートの元を離れて門に手をかける。すると泣きながら大きな声で
アート:「ぜっだい!!ぜっだいがえっでぎでね!!また・・・あの場所でアートはいい子にじで待っでるがら!!」
バリシュ:「あぁ・・・・また来るよ。」
そう呟くとバリシュは門を開け、地獄が待ってるであろうナーガ達のとこへと向かう。
村人A:[バリシュ・・・・まさか!一昔前に古都で最強と言われたGのGM、風のバリシュか!?」
ロッド:「い~や、違うね。あいつは只のバカな剣士だよ。さぁ!!!ボーッとするな!!武器をかき集めるんだ!!今日は!!今日は俺たちが勝つんだ!!!」
ロッドの怒声が集落に響き渡る。そんな声を聞きつつバリシュは歩を進める。バリシュの目の前に一匹のナーガが近づく。
ナーガ:「なんだ、このポンコツ剣士、あの集落の奴らが雇った傭兵か?隻腕とかどんだけあいつら金ね~んd・・・・・・・」
ナーガの首が鮮やかに飛ぶ。
バリシュ:「喋る暇があるなら動け。さぁ、ナーガ共よ、久々に俺をうならせろ。」
シャーーーっとナーガの大群がバリシュに向かい襲い掛かる。その間を風のように走り抜け、ナーガを斬り刻んでいくバリシュ。集落の中で只剣士の無事を祈るアート。
灯火が消えようとも、女神があちらに微笑もうとも、剣士はただ一つの命を守るため、また一度剣を振るう。
最終章に続く・・・・・・・・・
とうとう次回がラストです!!
この小説を読んで下さってくれた少数のみなさん!w
次回はハンカチの用意を忘れずに・・・・・
(* ^ー゚)ノバイバイ