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バリシュは無心でナーガ達を斬り倒していく、ナーガ達自身は自分達の間を風が吹き抜けた程度にしか感じていないだろう。しかし、その風が吹き抜けた少し後に、やっと自分が斬られた事に気づき息絶えていく。
ナーガ族:「なぜたった一人の人間を止められないんだ!!ましてや片腕だぞ!!全員でかかr・・ブハッ!!!」
何十というナーガを斬った頃からバリシュも限界を迎えていた、足が重く、ましてや重い剣を片腕で振り回しているのだから動きも鈍くなっていた。そのとき、
ガキーン!!
とうとうバリシュの剣は止められてしまった。前を見ると他のナーガより一回り体が大きく、下半身は馬の形をしている。相手の持つ三叉の槍がバリシュの頬をかすめる。
クイーンナーガ:「人間よ、よくやったがもう終わりだ。一瞬でも抱えた儚き夢を胸に抱きつつ死ね。」
そういうとクイーンナーガの槍がものすごいスピードでバリシュを突き刺す。その瞬間に曇り空に残されたバリシュの腕が宙を舞う。
ロッド:「バリシュ!!!!くそ!!!もう武器を持っているものだけでもいい!!助けに行くぞ!!!」
そういうと集落の人々が門を勢いよく開けて外に飛び出る。
クイーンナーガ:「クク、たかが人間共が威勢良く飛び出してきたわ。今日であの集落も終わりよ・・・。さぁ、まずは剣士よ、お前から見せしめに殺してあげよう。」
バリシュは顔を伏せてクイーンナーガに言う、
バリシュ:「あの時、お前が腕なんかじゃなく首を刎ねていれば俺はもう息絶えていただろうに・・・・惜しかったな。」
クイーンナーガが斬りおとしたバリシュの腕を見ると、そこに剣はなかった。
クイーンナーガ:「貴様!!剣をどこにやった!!!」
クイーンナーガがバリシュの足元に目をやると、丁度剣の柄が足の甲の上にうまく乗り、直立に立っている。
バリシュ:「さぁ、・・・・死ね・・・・・」
そのままバリシュがクイーンナーガの喉をめがけて剣を蹴り上げる。
ドシュ・・・
という音とともに剣がクイーンナーガの頭を突き抜ける。
クイーンナーガ:「・・・・・・・・・・見事・・・・・・・・・・」
そういうとその巨体が地面に倒れる。そしてバリシュが最後の力を振り絞りナーガ族のほうを睨みつける。
ナーガ族:「ひ!退け~~!!」
一匹がそういって逃げ出すと、全てのナーガが洞窟のほうへと引き返していく。それを見届けた後にバリシュも前から地面に倒れこむ、斬られた腕からは尋常じゃないほどの血が吹き出ている。
すぐにロッド達が駆け寄りバリシュの体を起こす。
ロッド:「おい!!しっかりしろ!!死ぬな!!死ぬんじゃない!!くそ!!すぐに集落につれて帰って手当てをするぞ!!」
ロッドはバリシュを抱えて集落に急ぐ。集落の門をくぐるとアートが駆け寄る。
アート:「お兄ちゃん!!」
その呼び声でバリシュは薄く目を開ける。そしてロッドは全てを察し、バリシュを地面にソッと置いた。
バリシュ:「アートか、手が両方無くなってしまった・・・もう・・・手もつなげないな・・・」
アートはボロボロと涙を流しながらそれに答える。
アート:「大丈夫だよ!!手がなくてもこうやって ほっぺたに手を当てれば暖かいでしょ!!」
バリシュはニコッと笑うとアートに、
バリシュ:「最後にアートと出会えてよかったよ。これで剣士らしく死ねる。仲間にもきちんと胸を張って会えるよ。大丈夫、記憶の中でずっと二人は生きていける。」
そういうとバリシュはもう一度笑いながらガクッと体全体から力が抜ける。人々は力尽きた英雄を見ると全員が涙を流した。
ロッド:「明日から・・・忙しくなるぞ・・・」
ロッドはバリシュを抱えながら呟く、人々は一人の剣士のために悲しみがまだ残る中、町を造っていった。
5年後、
美しい花畑の中に一本の剣が刺さっている、その周りには弓などの武器が置かれ、一人の女性がその剣の前で祈っている。すっとその女性は顔を上げる。
アート:「お兄ちゃん、あれから5年・・・やっと町が完成しました。どこの町よりも大きく、美しい町です。そこで今は目の見えない人にも全てが伝わる歌を私は歌っているんです。それで、全ての人が笑顔になればいいと思って・・・。町の名前はお父さんが決めたの、お兄ちゃんの名前と、私の名前を合わせた名前・・・、お兄ちゃんの事はこれからずっと語り継がれると思います。もしも・・・もしも天国があるならば、そっちで仲間の方々と幸せになってくださいね。」
すると町の入り口からロッドが、
ロッド:「アート!!みんな待ってるぞ!!早く来い!!」
アート:「はーい!!じゃあまた来るね!お兄ちゃん!」
アートが町の門をくぐる。見上げれば大きい看板で町の名前が書いてある。
英雄と一人の少女の二人の名前を合わせてできた名前、
バリアートと・・・・・
End・・・・
アートがバリシュのために歌った歌のイメージです。
バリシュの最後の言葉もここから拝借しました^^
暇があれば、この物語を思い出しながら聞いてください(=゚ω゚=)
http://jp.youtube.com/watch?v=B5M2-_lLD5k
また少し後にあとがき書きまーーす!!!
ではこの物語を読んでくれたみなさん!!
ありがとうございました!!!
ではこの辺で(* ^ー゚)ノバイバイ