プラタイ~PrivateTime~

2010/01/18
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浅田次郎氏の本を読んでいつも思う事は、物事のひとつひとつに深く切り込んでいて限りない想像力があるなー!と感心します。
それと文章構成が上手い。
詳しく書くところとあっさりと書くところとをうまく効果的に使い分け、とくに結末の「おち」の部分は多くは書かず、でもそれまでの経緯の情景を書いた文章でちゃんとわかってしまう。
特に短編集にはそれらの力量が凝縮されています。




沙高樓綺譚

5話短編集。
どれもミステリアスで、考えさせられる結末です。
人間の奥底にあるしたたかさを強く感じ、いったい何が嘘で真実なのか、何が正解で誤りなのかわからなくなる。
浅田次郎氏の得意技とも言える語り口調の文章がとても効果的で、まるでその場に参加しているような臨場感があります。



薔薇盗人

6話短編集。
浅田氏の力量がうかがえるさまざまな文章構成。
最後の「薔薇盗人」は親子の手紙のやりとりで、驚愕の真実が明るみになっていきます。子供の視点からの大人の世界は読み手の想像力をかき立てます。
また「奈落」はある人の死に関しての真実を周りの関係者の噂話でジワジワと解明されていくのが、おもしろい。



姫椿

8話短編集。
この本は人それぞれの人生を描いているのですが、非現実的なようで実はとても現実的であるように思う。
どの話にも『おち』があるのですが、悲しいものもあれば、思わずニンマリと笑ってしまうあたたかく幸せなものもあります。



霞町物語

8話短編集ですが連作もの。
霞町に住む写真館を営む家族をその息子である高校生の目から見たお話。
とても粋で愛情溢れる家族である事が伝わります。
特に、祖母の『粋』さは感銘しました。正真正銘の江戸女の潔さがかっこ良く、あまりの『粋』さに涙が出るほど。
また、祖父と入り婿である父との師弟愛は泣かずにはいられない深い深い絆が良かった!



見知らぬ妻へ

8話短編集。
切なさ漂う泣かせる短編集。
いわゆる平凡な人生からは脱線した人のストーリー。それだけに未知の世界へぐんぐん引き込まれる。
それぞれの結末がハッピーエンド?なのかどうかは読む人の解釈によるのでは?



霧笛荘夜話

7話短編集。
霧笛荘というアパートに住んだ人々の奇異な人生のお話。
それぞれが行き場を失い霧笛荘に住む事になるのだが、一般的には不幸なのかもしれないが、それら人々は実は自分にとって最良の人生選択をしたのではないかと思える。
特に、なに不自由ないお金持ちの奥様が突然何もかも捨てた話はなんともいえない…
何もかもの存在が幻想的でありながらリアルに展開してゆく。
これも人間を鋭く描いた切なく泣ける短編集。



月下の恋人

11話短編集。
浅田氏の短編集にしては、ひとつひとつが軽い。
いつものような深く切り込んだものは感じられません。
重たさがない分あっさりとしているので、初心者にはいいのかも知れません。



月島慕情

7話短編集。
泣きの短編集。それこそ一本筋の通りまくった人のそれぞれの人生は感動もの!
中には軽いものもありますが、男女の愛や親子愛など浅田氏らしく懐深く切り込んでます。
特に「シューシャインボーイ」はぜひ読んで頂きたい!














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Last updated  2010/01/18 02:32:40 PM
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