プラタイ~PrivateTime~

2011/06/12
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カテゴリ:

浅田次郎


読み終えて、ただ ボーッ としてしまった。


最後は涙で活字が霞み、

ティッシュ片手にやっとの事で読み終えた。


1945年8月15日の終戦直後、

北海道のはるか北東にある千島列島に
占守島 しゅむしゅとう で、

18日から数日間おきた激しい戦闘を描いたもの。

千島列島


戦争は終わったのに??

日本は負けを認め、降伏したのに??



一人一人の登場人物は、いったいどうなるのか?


各人の人生や背負ったものの輪郭がハッキリしてくるにつれて、

とても、不安になりながら、

それでも、最後まで一気に読んでしまった。



いつもながら、浅田氏の筆力の迫力に圧倒される。


場面やシーンが切れ変わり、

方々の角度より、事件を見つめ、




戦争がどれだけ矛盾してて、理不尽なものであったか、

そこには本人の意志などなく、

ただ、祖国の に過ぎない。



敵も味方も関係なく、

同じ人間であり、

それぞれの 人生の重み には変わりない。



己の意志になく、

人を殺さねばならない。


何の為に???


どの兵士も死ぬ間際に、



どうして、こうなって、死ぬハメになったのか?


"死" の瞬間に、初めて 人間らしい意志 をもち、

懺悔できたのではないか…





この戦争の真の悲劇は敗戦ではない。

国民の意志に関わらず戦が始まり、

それを国民の意思と断定して継続したあげくに、

負けたのだ。

すべての民主的な手続きを無視し、

勝手に戦い、

勝手に負けた。





日本史上、 最低最悪な時代 だと断言できる。



同じく命を粗末にした、

戦国時代や幕末においては、

最低限度、

人それぞれの 筋の通った意志や思惑 があった。



意志を持たないこの戦争は、

矛盾と理不尽の中で、

罪もない善良な人間が無駄死にしただけのものだった。





私は、全く "戦争" とはかかわりのない時代に

生まれ育ったことを、

真の底から幸せに思う。


しかし、

泣かせるの上手いよなー。

今回もまた、

浅田氏の にハマってしまった…








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Last updated  2011/06/12 09:39:09 AM
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